歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

今日の充填治療419(上級編)

 
この記事を書いている人 - WRITER -

20代男性、右下7、外傷性カリエス、食事中に痛む 004505

通常、このような大きな虫歯は神経を取ってクラウンを被せる治療が選択される。
例えば保険治療で神経を残す治療をしても、失敗したらその後の診療報酬が減額される。
わざわざペナルティー付きの治療法を選ぶ歯医者はいない。

そしてわざわざCR充填を選ぶ歯科医師もいない。
儲からないからだ。神経を取ってクラウンの方が儲かる。
当たり前だ。

人間は儲かる方を選ぶ、経済学の大前提だw

レントゲン写真では近心に虫歯が見えるが、今回は追求しない。
介入(削ること)は、なるべく先送りする。
なぜなら予防歯科では定期管理により深刻な事態になる前に発見できるはずだからだ。

この手の外傷性咬合のある患者の歯科治療は不安定だ。
なぜなら、外傷性咬合は無自覚の内に行われており、患者本人が意識的に外傷性咬合を止めることも難しいし、外傷性咬合がない場合に比べると、いくら頑張っても歯科治療は保たない。
そして問題が発現しても患者自身ががそれを発見することは難しい。
どうしても定期管理が前提となる。

それも相まって通常は神経を取ってクラウンを被せるという治療になるのだが、
次はない。
必ず歯牙破折や2次カリエスで抜歯になる。

なるべく最小限の介入で、大きく削ることを先送りするのが人生100年時代となった今では最優先課題となる。
今までの歯科医療は人生50年を前提としている。神経を取る治療してクラウンを被せて、20年後には抜歯だ。
外傷性咬合がある場合は20年も保ちはしない。せいぜい数年、10年いかないだろう。

絶対に次はない。

予防歯科では補綴物の管理が重要な仕事の1つだ。特に抜歯再植後やひどい2次カリエス後の歯冠修復は定期管理をしないと患者が気がついた時は遅い、必ず抜歯になる。当面抜歯を免れても、条件はさらに厳しくなる。
例えば初めての歯冠修復が20年保つとしても、2回目以降の治療は残存歯質の条件が悪くなっているので、2年しか保たない。

2回目以降の歯冠修復に自費治療は薦められない。
2年しか保たないかもしれない歯に大枚を払う患者はいないからだ。

僕に言わせれば、神経を取って被せる歯冠修復は当面必要がないケースがほとんどだということだ。
歯科業界関係者でも、この意味が解る人間は少ない。
自分が悪魔に魂を売っていることにさえ気がついていない業界人が多い。

実像

鏡像

近心辺縁隆線のクラックから隣接面カリエスになっている。
慣れないと目視で見つけることは難しいかもしれないが、これは外傷性カリエスの特徴だ。
DHには慣れて欲しい。

初診時にはとりあえず痛みを止めるためにある程度綺麗にして、α-TCPセメントの上から水硬性セメントで仮封する。
これでほとんどの場合は症状が消える。

つづく

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。

Copyright© I歯科医院の高楊枝通信。 , 2018 All Rights Reserved.