歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

今日の充填治療449(上級編)

2019/10/30
 
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40代女性、右上6、2次カリエス 004058

ここの読者さんから

・・ところで先生はなぜプラスチックで歯を覆うのですか?
割れやすいので、陶器をかぶせれば? ともおもうのですが?

と訊かれることがあるのです。

これは時々記事中に書いているのですが、歯科医師でもなかなか解らない話なのです。
歯医者は患者に神経を取った後に冠を被せる話をするわけです。

そのままだと歯が割れやすいので、冠を被せましょう。金属の冠もできますが、セラミックスの冠だと見た目もきれいだし、プラークも付きにくいいし、丈夫だし、長持ちしますよ、と。

プラスティックで覆うことなど全く考えません。

多くの歯科医師は被せることが一番良いことだと信じていたり、疑いの心があったとしても、そうしないと歯科医院の経営が難しくなるからそういう説明をするのです。

CR(コンポジットレジン)で覆うとしてもこれは仮のもので、割れやすいし磨耗しやすいので、そのうちちゃんと被せましょう。と付け加えることを忘れません。
わざと欠けたり外れたりしやすい材料を選んだり、手を抜いたりすることも見かけます。

これは日本の歯科医師だけではなく世界中の歯科医師がそうです。

ところが吟味された材料を使い時間をかけて、実際にやってみると十分に長持ちします。それどころか、金属やセラミックスの冠と同等かそれ以上に長持ちすることも多いのです。しかも辺縁漏洩が非常に少ない。

では、それはなぜなのか?

考えてみれば当たり前のことなのですが、金属冠にしろセラミックスの冠にしろ、口腔内で型取りをして口腔外の石膏模型上で歯科技工士が作るのです。

要するに抜き差しができるように作るしかないので、歯の方は円錐台の形をしています。

円錐台に歯を削って、抜き差しができるようにするということは、外したり装着したり自由にできるということですが、セメントで接着したとしても長期的には咬合力によってセメントは剥がれ、
冠は緩み、外れやすいということです。

外れなくても歯質よりもはるかに硬いジルコニアの冠を被せると歯質の方が先に崩壊します。特に咬合性外傷をお持ちの患者さんはこうなります。

ところがCR(コンポジット・レジン)で歯冠を再建する時には歯質は極力削りません。削らないということは円錐台にする必要はないということですので、歯質は凸凹です。しかも物性が歯質に近い。

これが外れにくい、割れにくいという理由です。しかも最近のCRは耐磨耗性も接着性も著しく向上しています。

いかがですか?業界は嘘にまみれているのです。それが嘘だと知っている歯医者もいるし、知らない歯医者もいるのですが、知っていても口を拭って黙っています。それがこの業界です。それを世界中でやっているのです。

歯質が凸凹しているところがCR充填の最大のメリットになっていますが、実際の症例を見てみてください。金属のインレーはとっくの昔にセメントは崩壊しています。隙間ができていて、硫酸塩還元細菌が侵入していて、黒いFeS(硫化鉄)を代謝しています。インレーの裏が真っ黒なのはこれです。特に歯茎部に近い所はFeSで黒くなっています。それでも外れにくいし、2次カリエス(治療後二次的になる虫歯)にならない限り気が付かないだけです。

色々言っても、ホントはね、歯医者は歯を作れないのです。真面目に歯形彫刻の実習をしていない。どうせ外注するからCAD/CAMで作るから、こんな実習は単位さえ貰えれば適当でいいと考えている。だからCRで歯を口腔内で作れない。それだけなのです。技工士は簡単に作れる。僕はダブルライセンスなのです。

鏡像






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