今日の充填治療502(上級編)

50代女性、左上6、インレー2次カリエス
DHからインレーの下に穴があるというので、セメントで仮充填していた。
その2次カリエスをCRで再建した。
歯肉縁下のマージンというのは補綴が困難ということで抜歯の対象となる場合があるのだが、CRでは再建が可能だ。
ではなぜ、補綴が困難かというと、歯医者は自分で歯を作ることができないので、歯科技工士に外注するしかないからだ。患者さんには信じられないかもしれないが、歯医者は歯の形を憶えていないので、歯の再現ができないのだ。
土台を作って型取りをして外注して出来上がった補綴物を口腔内にセットする。
こういう一連の作業の流れから外れてしまうような症例は治療不能ということになる。
しかし歯の形を手が勝手に動くレベルまで覚えていれば、CRで歯を再建することは難しくはない。
歯医者は歯学部での歯型彫刻の実習をどうせ外注するのだからという理屈で真面目に取り組んでいないのだ。
もちろん治療困難という理由で抜歯してインプラントを薦められるならそちらの方が充填するより桁違いに儲かるわけだから止められないという大人の事情もある。
では時系列でどうぞ