歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

若い子シリーズ31.02

2019/10/21
 
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9歳女子、左下E(LE)、時々痛い。

しかし、他にも虫歯がたくさんできている。
この子はカリエスリスクが高く、しかも外傷性咬合もある。テニスをしていてマウスピースをしていないと奥歯が痛くなるそうだ。プレイ中に食いしばっているので、歯冠にクラック(ヒビ)が入り、そこから虫歯になるのだ。

テニスなどインパクトの時に食いしばってしまうスポーツは歯にはよくない。
野球やバトミントン、サッカー、ウェイトリフティングなどか?

あと、ボクシングとかの格闘技系も外傷予防のマウスピースは必須です。ラグビー選手が付けているいる映像をテレビ等でも見かけます。

今日は右側DEの治療。

表題画像のレントゲン写真ではRDはまだ露髄してないが、抜け替わるには1〜2年かかるように見えるので、保存治療は必要だろう。

この画像は2年ちょっと前の画像。2年でどの程度虫歯が進行するかがよくわかると思う。すべての治療中の画像を残している当院だからできるサービスだ。R6の隣接面にも白濁している初期の虫歯も見えるので心配だ。

隣接面カリエスを防ぐには重曹うがいだけではなく、食渣が溜まらないようにデンタルフロスで食後はこまめに掃除をしなくてはならない。

2017/08/16

これが今回の治療前の画像

RDのCR充填までの画像。歯肉縁下の虫歯なので出血している。止血に手間取った。



この手の一連のアクロバテックな治療はCR充填以外ではできない。僕も色々とやってはみたが、インレー・クラウンなど外部で作ってセメント合着するものは金属・セラミックス等素材の種類を問わず予後は極めて悪い。それは脱離しやすい(そもそも脱離するように作る)からだが、誰もその欠点に触れないというか認識がない。
これからの治療が一般の歯科医師から見るとアクロバティックに見えるのはその所為で、CR充填に真摯に取り組んでいる歯科医師は極めて少ないのが現状だ。

なぜなら、こんなことを言うとアレなんだが、修復物は外注して技工士に作ってもらおうと、最初から自分で作る技術習得の努力を捨てているからで、僕に言わせれば情けない、、の一言だ。
世界中のほとんどの歯科医師は僕が言っていることを理解できないと思うが、3世代前の歯科医師は歯科医師になる前に歯科医師の元に弟子入りして、技工技術を習得したものだと聞いたことがある。

現代の歯科医師はそうではない。自分の手を動かして習得したものではないのだから、自分でやっていることがどういうことか解らず、いつまでも非理論的な世界に閉じ籠って、他分野の人間から見ると斜め上の世界で遊んでいるのだ。そんなことではそんな事情を知らない患者はお金と時間がかかるだけの治療(?)を受けるしかないとか、たまったものではない。

REについては頬側歯肉にフィステルができているので、歯髄の感染を疑われたので感染根管処置を試みることにした。
フィステルというのはドイツ語で最近は歯科の専門用語もなぜか英語表記が導入されているようだ。そんなことはどうでも良いが。日本語では瘻孔と呼ばれていて、膿(リンパ球等の死骸)が排出される穴というか噴火口だ。これができているのはそれなりの理由があるはずだ。慢性的な炎症が起こっているということで、体調が悪ければ、急発することもある。

咬合面の虫歯を除去して、神経が壊死しているのなら、歯髄に達すると空洞になっているはずだが

少し痛いというのでよく見ると神経は生きているようだ。知覚は鈍磨しているので完全に正常な歯髄ではないと思われる。乳歯ではフィステルがあっても歯髄は失活していないことはままある。レントゲン写真では遠心根は吸収が始まっており、反対側よりも早い。異物除去反応というと語弊があるかもしれないが、細菌感染はしており、歯根吸収が早まっているのだと思う。

これ以上の介入はせず、抗菌剤添加α-TCPセメントで覆とうし、CR充填した。これだけでフィステルが消えることがある。


フィステルが消えなくても、吸収が始まっているのなら免疫力というのか異物排除機能はフル稼働しているので心配はいらない。

終わり

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