虫歯の長期的変化

現在23才女性、左上2の虫歯が気になる。痛くもなんともないが、色が気になる。002621しかも、気になるのは本人ではなくて、母親らしい。治療費は出すから、歯医者に行け、といわれたらしい。
実はこの歯は13年前から削ったりせずに管理していた。
そして8年前を最後に来院していない。
一般の方もだが、歯科医師でさえ、虫歯は治ることはなく、どんどん進行するので、早期発見早期治療(削って埋める)が絶対に必要だ、と思い込んでいるのだが、果たしてそうだろうか?
削るのを我慢して何年も経過観察したことのある歯科医師がいるのだろうか?
そんな歯科医師は多分いないと思うので、この13年に及ぶ虫歯の経過症例は歯科医師でさえ見たことはないと思う。
意外と虫歯は進行しないものなのだ。
慌ててCR充填などしてしまうと、以下の症例のように、10年後、20年後と再治療を繰り返し、結果的に神経を取り差し歯となり、さらに20年後には抜歯になる可能性は高い。その時はまだ60歳なのだが、まだ30年は生きなくてはならないという絶望が待っているかもしれない。
http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-25384/
人生90〜100という時代では、前歯部の虫歯などいじる必要性はないと思う。
2006/11/18 10歳時
透過光で撮影、虫歯は黒く見える。
2011/12/03 15歳時
透過光。5年前より脱灰が進んでいるように見えるが、削るのはまだまだ我慢する。
レントゲン写真
2019/06/22 23歳時
色(FeS)の黒色が気になるが、今すぐ処置が必要な虫歯というほどではない。
レントゲン写真では8年前とさほど変わっていない。
どうですか?意外と虫歯は進行しないでしょう?