歯科医院長mabo400のブログ

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今日の充填治療450.01(超上級編)

 
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50代男性、左下8、頬側歯肉縁下カリエス、時々痛い。

この部分のカリエスは外傷性咬合による応力腐蝕割れと、頬粘膜に隠れているので酸素濃度差腐食のハイブリッド要因だ。

うちにたどり着く前に20軒歯医者を回って、うちと同じようなCR充填治療をしてくれるところを探したが、ことごとく断られたそうだ。歯医者を20軒も回るとか、ものすごくバイタリティーがあるというか、とてもしつこいというか。。w

ここの症例写真を歯医者に見せて、これをどう思う?これと同じようにやってくれない?と依頼したそうだが、冷たい目で見られたとかw
まぁ、そうだろうと思います。
この症例の標準治療は抜歯の一択。神経を取るのも歯根も曲がっているしファイルが入らないかもしれない。一番奥の親知らずなので、そもそもファイルを持った手が届かない。

ま、僕がやっていることは標準治療どころか、歯科医療ですらないということのようだw

表題画像はうちに来られた時に撮ったもので、セメント充填されており、根尖付近に陰影がある。要するに炎症を起こしているということだ。細菌感染による炎症を起こしていても、絶対治らないというわけではないので、一晩様子を見たが、やはり違和感というか咬合痛というか不快症状があったので、歯髄内部を開けて見てみることにした。

咬合面から開けてみると冠部歯髄は溶けて無くなっていて、遠心根は#15の超音波スケーラーのエンドチップを入れてみると知覚があったので、遠心根の根部歯髄は生きていると思われた。
近心の2根は途中までしかエンドチップが入らず、知覚はなかったので、少なくともその部分までは失活していることが分かった。

どちらにしろその部分までα-TCPセメントで充填することにした。2回法でしたが、1回法でもどちらでも良い。2回法は再根管治療が必要になることが予想される時に採る。遠心根が生きているのは1回目のセメントから血液が漏れていることでわかる。1回目のセメントは精製水練りだからだ。精製水練りは硬化しないか硬化が遅くなる。2回目は通常練りなのですぐに硬化する。
この後はCR充填して経過観察。

感染していても、抗菌剤添加α-TCPセメントによる直覆もしくは根管充填で問題はない。一応投薬はするが、根管内をファイルで弄ってはいけない。どうせ無駄だ。というより余計感染を広げ、事態を悪化させる。エンドチップによる根管内の超音波洗浄に止めておく。

充填が終われば、これ以上感染させないうちにCR充填してしまう。強調しておくが、CR充填以外では漏洩するので失敗する。クラウンを被せて儲けるというビジネスモデルは残念ながら成り立たないと思ってよろしい。









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