今日の充填治療482(上級編)

17歳女子、左上7、遠心・頬側面カリエス。
この手の虫歯は寝相と関係がある。ちなみに右側の同部位には虫歯はなかった。
問診を繰り返した結果、寝相では上になっている方に虫歯ができやすいようだ。
これは唾液が溜まり難いからだろうと思われる。
唾液がある下になる方が唾液中に元々ある重曹成分で酸が中和されるからだ。
・・市内でも感染者がボツボツ確認されている状況で、コロナの足音はヒタヒタと近づいてくる。
院内感染対策は通常のものは当然ながら、新型コロナには無症状でも感染能力があるとされることから、患者が院内の全ての物品に触れずに帰ることができるように配慮している。
例えば、トイレに座る時に使うディスポの便座シートは以前からしていたが、ウォシュレットのボタンもティッシュ越しに押すとか、患者のサインが求められるような書類に使う筆記用具も個別にガス滅菌にかけるというものだ。
今日の症例は、一般には難しいとされる最後臼歯の遠心・頬側面カリエスのCR充填処置だ。
この部位が難しいのは直視できないのでミラーテクニックが必要になるのは当然として、コンパクトなタービンへッドが必須となる。海外メーカーの大きいものは全く使えない。一般的には4/5冠やフルクラウンによる修復が行われ、大きな歯質の削除を必要とする最悪の処置になる。
この歯は他院でCR充填処置を受けたばかりということだったが、処置しやすい咬合面の処置だけで、この部位は見て見ぬふりをしている。できないからだ。
表題画像に引き続き、画角を変えて2種類アップしてみる。
咬合面観
頬側面観