歯科医院長mabo400のブログ

今日の充填治療490(超上級編)

 
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50代女性、右下7、二次カリエス、自発痛+

この部分は食物残渣が停留しやすいということで、ジェットウォッシャーを購入していただいていたが、洗面台の飾りになっていた。

治療後3年ほどしか経っていないのに、二次カリエスになってしまった。手前側の右下6もだ。これは神経はないので、痛くはない。

通常痛くなったら神経を取るという話になるのだが、神経を取る必要がある症例は実はない。
歯髄という組織は原始的な未分化の組織で感染にも強く、再生能力にも長けている。歯髄からiPS細胞を得ようという試みはあったと思う。(未確認)

ではなぜ通常の保存修復法では歯髄の保存ができないのか?というと、
CRによるダイレクトボンディング法以外の修復方法では辺縁漏洩が必ず起こるからだ。

CR充填以外の修復方法では、大きく露髄していて、健全歯質が少ない症例の歯髄保存は難しい。

材料を問わずインレー・クラウンは必ず脱離して漏洩する。
漏洩して健全歯質が少ないと歯髄に電解質・細菌が侵入し、すぐに痛くなる。

インレー・クラウンが脱離しやすい理由は口腔外で製作して口腔内にセットするというコンセプトそのものの問題で、脱離するように作られているからだ。
セメント等を工夫しても咬合力でいつかは脱離して漏洩が起こる。
時間の問題なだけだ。

この問題を回避するには窩洞のアンダーカットや不定形を利用した咬合力による脱離に抵抗する形態が必要なのだが、それはCR充填以外にはない。アマルガム、金箔充填は漏洩が多いので使えない。

しかし現実には問題が山積している。

1、口腔内での作業は困難を極めるので、超絶技巧を要するし、時間もかかる。
2、従来の分業システムが使えないので、歯科医師が最初から最後まで手が離せない。治療単価が上昇してしまうということなのだが、それを贖うことは難しい。

CRによる高度な保存修復をする歯科医院が少ないのはそういうことだ。

ではなぜ、僕はそういうことをしているのか?患者ファーストということではあるのだが、考えてみてください。

では、実像と鏡像の2つの角度からごらんください。

実像



鏡像、矢印は露髄しているところ。


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