歯科医院長mabo400のブログ

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外傷性の虫歯3.01(歯根面・隣接面カリエスの生成理論)

2019/09/21
 
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90代男性、上顎3211、歯根面カリエス 000010

前回のつづきというか、反対側の虫歯の治療だ。

http://mabo400dc.com/dental-treatment/dental-filling/外傷性の虫歯3/

前回は応力腐蝕割れという観点から考察したのだが、今回は隙間腐蝕というか酸素濃度差腐蝕の観点から考察してみるつもりだ。

虫歯の要因というのは2つはあって、

1、歯は水素イオン(プロトン、H+)を電導する。
2、水素イオンを歯質内を電導させるための何らかの起電力。

この2つがどうしても必要なのだ。

一般には歯はいわゆる虫歯菌が出す酸で溶けたものとされているが、酸の存在だけでは虫歯になるのは難しい。歯は簡単には酸に溶けないからだ。

昔やった抜歯歯牙をpH3のコーラに3週間漬け込む実験では歯は溶けなかった。
事実上コーラを3週間以上口腔内に含んでおくなどということはできはしないのだから、歯が酸に溶けたものが虫歯というのは嘘だということが判る。教科書的にはpH3どころかpH5.5つまりコーラを316倍に薄めても虫歯になるとされているが、歯が酸に溶けるという考えだけでは無理な話だ。別のメカニズムが必要になる。

以下の図は出典は忘れたがネット上で拾ったもので、金属腐蝕メカニズムの説明、特に隙間腐蝕(酸素濃度差腐蝕)の説明に使われる図だ。

この図の要点は3つはあるが、

一番重要なものは酸素濃度勾配で、

酸素が多いところで、

2H2O+O2+4e-→4OH-

という電気化学反応が起こり、

酸素が少ないところ、

つまり隙間の内部やプラークに覆われているようなところから電子e-を奪ってくるということだ。e-を奪われた金属MはプラスイオンMn2となり溶出する。H+の存在下つまり酸性だとH+よりイオン化傾向が大きい金属Mは溶出しやすく、塩素Cl-のようなハロゲン族(フッ素もだ)があると金属は+イオンなので引かれて溶出しやすい(要するに塩水がかかると錆びやすい)。

起電力の視点から見ると、酸素濃度が低いところは+に高いところはーになる。

つづく

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