歯科医院長mabo400のブログ

外傷性の虫歯7.02

 
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13歳、右下6、自発痛+、他院で抜髄と言われた

神経を取ると歯の寿命は確実に短くなる。人生100年と言われている現在、それは避けねばならない。
削る治療はなるべく先送りする方が良い。

この歯は歯ぎしり、テニスの練習中の食いしばりでクラックが生じ、そこから虫歯になっている。
それだけではなく、フッ素爆弾と呼ばれる咬合面の中心窩から象牙質が露出し、象牙質だけが溶けてしまう虫歯の2種類のパターンが見られる。
電気化学的にはどちらも異種金属接触腐食、酸素濃度差腐食による虫歯だ。

軟化象牙質(虫歯)を全部取る必要はない。ハイドロキシアパタイト系の覆とうセメントで再硬化する。
今回は近心の隣接面カリエスはアクセス時に知覚があり、それほどひどくはないと判断し、重曹うがいだけで充填治療は先送りした。

前回の続き
http://mabo400dc.com/dental-treatment/electrochemistry/外傷性の虫歯7-01/

また就眠中の歯ぎしり、テニスの練習中の食いしばり、
それだけではなく、横向き寝による開口があり、犬歯誘導が機能していないので、歯ぎしりの時に奥歯が当たりすぎる。
これらは外傷性の咬合に分類され、外傷性の虫歯つまりクラックから内部に虫歯が進行してしまうことが起こる。

http://mabo400dc.com/dental-treatment/dental-filling/外傷性の虫歯7-00/

充填治療から1ヶ月程経った頃、突然、痛い、温痛がひどいということで急遽再治療をすることになった。

前の日にテニスの練習をした時にマウスピースを装着するのを忘れたとかで、奥歯だけが当たるオープンバイトもあって、外傷性の咬合によりとうとう破折してしまったかと思ったが、痛いのは飲食の時だけだということなので、完全には離断してはいないがどこかで漏洩が起こっていると判断し、再治療を試みてみることにした。

これが近心のカリエスの穴で辺縁隆線にはクラックが見える。
これだけで飲食時の痛みや温痛が出るとは考え難い。
もっと広範位な漏洩が起こってるような気がする。

近心の虫歯からアクセス。痛みはない。前回アクセスした時は痛みがあったようなので、追求は見送った。

同業者も含め信じられないかもしれないが、最後まで無麻酔だ。

CRや覆罩セメントを除去していくと、1ヶ月程度で軟化象牙質(象牙質の虫歯)が再結晶により再硬化して(治って)いたり、2次象牙質ができていたりする。


これがα-TCPセメントで覆罩する直前

拡大するとクラックらしきものが近遠心的に走っているように見える。これが破断するのを防ぎ、できれば再結晶化によりクラックが埋まることに期待したい。

というわけで、今回は補強冠を装着することにした。
とりあえず、再CRしたが漏洩が止まったようで、熱いお茶を飲んでも全く大丈夫。温痛は即座に消えた。



補強冠の型取りをして次週にセットした。これが早期に脱離したり破断したりするようだと、外傷性咬合は依然として続いていることを表している。

1、寝相の改善
2、歯列拡大装置による開口の改善
3、歯ぎしりのコントロール
4、テニスの練習時にはマウスピースを装着し、噛みしめないように気をつける

人生は長いので、なんとか頑張って歯を大切にしてほしい。



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