今日の充填治療その24 (3)

      2017/03/20

今日は前回に引き続き咬合治療。

咬み合わせと言っても、
個人差が激しいので、
特定のセオリーがあるわけではありません。

ケース バイ ケース

その場で問題点を見つけて、対策を考えるしかないのです。

今回も判りやすい症例です。

「アンテリア ガイダンス」が不足していると思われる症例。

アンテリア ガイダンスとは、
奥歯で咬んだ状態から下顎を前方に動かすと、
下の前歯は上の前歯の裏側をこすりながら、
奥歯は咬まなくなります。
これが上手くいっていないと、
奥歯に負担がかかり、歯根膜炎や知覚過敏症から歯髄炎を起こすことがあります。
もちろん、虫歯になったり、歯周病が悪化したり、顎関節症になったり、
その人の弱い部分に障害が出ることがあります。

奥歯で咬んでいる状態(中心咬合位)。
IMG_5937-10.JPG

下顎を前に動かすと、奥歯は咬まなくなる。
これが正常だが、この方の場合まだ奥歯が当たっている。
IMG_5938-10.JPG

奥歯で咬んだ時には上下の前歯に隙間がある。
これは正常。
IMG_5936-10.JPG

下顎前方位での咬合状態。
上下の前歯は尖端付近で当たっているが、
奥歯はまだ接触している。
この時、完全に奥歯は離れるのがよい。
IMG_5939-10.JPG

で、この方は上顎の前歯の舌側(裏側)の尖端(切縁)付近に摩耗している部分があるので、
そこをCR充填で補正することにした。
IMG_5946-11.JPG
補正後、
IMG_5949-12.JPG

補正前拡大画像、矢印の部分に注目。
IMG_5947-9.JPG
補正後画像、矢印の部分の隙間が増しているのが判ると思う。
その分、上下の奥歯はより離開している。
IMG_5953-9.JPG

右側側方観、中心咬合位(奥歯で咬み合わせた状態)。
IMG_5943-10.JPG
前方咬合位、上下の奥歯に隙間が出来ているが、
右上の6番がまだ当たっている、早期接触という。
IMG_5940-10.JPG

この部分はインレーになっているので、調整を試みた。
IMG_5948-13.JPG
この方の右上5番は前医により知覚過敏で抜随処置とバイトダウンが行われていたが、
もしかしたら必要がなかったかもしれない。

この方は前医で左下にブリッジを作ったが、
ひどい歯根膜炎の症状が出てブリッジをセットできずに仮歯の状態で3年経過している。
前回は犬歯誘導を付加して、歯根膜炎の症状がだいぶ改善したので、
左下のブリッジを仮セットして、さらに咬合調整の予定。

適切な診断と対策をすれば、3年どころか3回で治るかもしれない。
通常の補綴治療に追われているときには気が付かなかったことも、
予防に重点を置くようになると、気が付く余裕が生まれる。

 - 今日の充填治療シリーズ, 削らない・抜かない歯科治療