今日の充填治療その39
2020/12/18

左上6番、遠心隣接面カリエス。
凍みる症状あり。
一見きれいなメタルインレーが入っていて問題はないように見えるが。
簡単に外れる。
セメントの接着性は失われているが、2次カリエスにはなっていない。
黒い物質が付いているのは、微小な隙間ができているということ。
数年経過後のメタルインレーはこういうことになっていると思ってもよい。
しかし、メタル~歯質間に電子の移動(ガルバニック電流)がないと虫歯にはならない。
メタルインレー内面にも黒い物質が付着している。
金属酸化物か硫化物か?
そのうち分析してみるつもり。
FeSなら硫黄代謝細菌由来だろう。
要するにドブの底の色ということ。
遠心のセメント下に隣接面カリエスが見える。
十分な接着面を確保するために軟化象牙質を除去する。
ストリップスは隣在歯を傷つけないようにするため。
麻酔が必要になるまで歯を削ることはない。
必要な接着面以外はα-TCPセメントで覆う。
念のためクラビットとセフゾンを極少量混和する。
両隣接面からCR充填、築成を始める。
後はトリミングして終わるつもりだったが。
コンタクトに隙間ができた。ストリップスが開き過ぎた所為で真ん中が窪んだ。
ウエッジを使って修正。
コンタクトポイント付近に穴が開いている既製のフォーミング・ストリップスもあるが、
貧乏なので使えない。