歯髄壊死(歯髄梗塞?)その後 (3)

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これから、3日後、自発痛は無くなったが、
まだ熱いもので痛む(患者さんはしみると表現します)とおっしゃるので、
α-TCPセメントを除去してみた。
頬側の2根はまだ生きている、それどころか近心の髄角部分も生きている。
歯髄はけっこうしぶといと思う。
ところが、口蓋根は根尖付近の1mmくらいしか生きていないようなので、
神経を取ることにして、麻酔薬を根管に入れて抜随した。
頬側の2根は生きているので、そのままα-TCPセメントで覆った。
この頬側の2根がその後どうなるかは、いろいろ考えられるが、
このままにしておくつもり。
所詮人間が小賢しいことをしてもろくなことはないと思う。
自然に逆らわず、侵襲的処置は最小限にとどめ、後は祈るのみだ。
次回は口蓋根だけ根管充填して、CR充填して終わるつもり。
ご本人に噛み締めの実感があるようなので、
ナイトガード作製予定。
噛み締めで歯髄が壊死するとか、大部分の歯医者は知らないだろう。
なぜなら学校で習わないからだが、
歯医者ならこういう症例はたくさん経験するはずだ。
通常は、こういうケースの場合、
患者が痛がっているので、とりあえず神経を取る。
そこで思考停止していて、
根管治療(エンド)の技術的な難しさに気を取られている間に、
現象を観察したり、原因を探したりすることなど忘れてしまう。
そして、難しいエンド治療がうまくいったことに満足して(しないか?)、その日は終わる。
・・の繰り返し。。
予防歯科に転向すると、
虫歯を見ても削るのを我慢することが当たり前になるし、
神経もなるべく取らないことが当たり前になるが、
まじめな歯医者さんほど、ここでやっていることを信じることができないと思う。