歯科医院長mabo400のブログ

I歯科医院の高楊枝通信。

クラウンの下 (2)

2017/02/26
 
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ぞうさん
「クラウンの下で虫歯が広がっていた。
開けてみたら虫歯だった、
ということもあるんですよね?
実際あるんですか?」

ぼく「実際あります。
というか、5~10年経過しているクラウンやインレーのほとんどは隙間ができていて、
内面に黒色物質が付着しています。虫歯になるのはその一部です。
特に歯茎部の隙間ができる原因は咬合力による応力が歯茎部に集中するための
セメントの崩壊や接着剤ハガレです。」

ぞうさん「その場合、
普通、虫歯の取り残し
があったから、
虫歯を完全に除去していなかったんだ、
と考えると思うんですよ。」

ぼく「いえ、そういうのもあるかもしれませんが、そこまで間抜けな歯医者は少ないと思います。普通の歯医者は熱心に虫歯を除去することばかり考えていますので。」

ぞうさん「または、
マージンの隙間から
嫌気性の細菌が入ってきて
中が虫歯になったとか・・?

クラウンの中も
無菌ということはないんでしょうね。
実際、知り合いが、
クラウンをはずしてみたら
臭かったって言ってました\(^▽^)/」

ぼく「マージンの隙間から入った細菌は前ログで取り上げている嫌気性の硫酸塩還元菌の可能性が高く、
臭いというのもその査証でしょう。
ただ、この細菌の最終代謝産物は硫化鉄で、硫化鉄は電気の伝導性がないことから、
クラウンと歯牙の両方に付着すると両電極に分極剤として働き、腐食電池の形成を妨げることが考えられ、
虫歯の進行を抑えるのではないでしょうか。実際に黒くなった虫歯は進行が遅いというのは日常的に経験します。
ということは、なんらかの原因で分極作用が十分でなかった場合、腐食電池が形成され虫歯が進行してしまうと考えるのが自然ではないかと思います。
なんらかの原因の1つに、マージンの隙間が広過ぎて、そこで好気性の酸産生菌の増殖があるとすれば、
硫酸塩還元菌の生育は遅れ、
腐食はより進行し易いというのは考えられます。」

ぞうさん「レジン?やセメント?
でしっかり密閉して、
その上で金属を被せれば
問題おきにくいと思うのですが・・。」

ぼく「そのとおりだと思います。電気伝導性のない、歯牙との接着性が高いレジンで歯牙を覆って、その上から冠を被せればよいことは明確なのですが、一般には実行されていません。見たことはありますし、ぼくも時々しています。
というより、歯茎付近まで削って被せようと思わない、隙間ができても大事に至らないような配慮をするのが先決事項でしょうし、
安易に削ることを止めるのが一番ですね。」

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