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隣接面カリエスの電気化学

2017/02/26
 
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この図は小児の下顎C、D、Eの隣接面カリエスで、Eを除けばC、Dとも
近心面より遠心面(奥の方側)に虫歯ができやすい。

じつは隣接面カリエスがなぜできるのか、しかも1つの歯でも奥の方が出来やすいということは、
よく解っていないのです。

従来の説明では、隣接面は磨き難い、近心面より遠心面の方が磨き残しが多い、とでもするのでしょうか(?)
でも、どこもぜんぜん磨けていない人もいますよね(?)w

まあ、はっきり説明できる歯医者は世界中探してもいません。

その点「虫歯の電気化学説」による説明はかなり科学的です。
このカテゴリーの読者はよくお解りのことだと思います。

金属腐食や電池やメッキなど電気化学の応用分野では周知の事実ですが、
酸性(電解質)環境下では酸素の少ない所から酸素が多いところへ電子が運ばれ、
電子を奪われた相対的に酸素濃度が低いところが溶解するという現象があって、

これを「酸素濃淡電池」、「通気差電池」、「通気差腐食」、「隙間腐食」などとよんでいますが、
これらは全部同じメカニズムです。

O2+H2O+e-→OH-

というわけで、実際の歯のイラストを見てください。
ここでは、D(真ん中の歯)に注目します。

隣接面は頬側面、舌側面に比べて相対的に酸素濃度が低い、
両隣接面でも遠心隣接面の方が相対的に酸素濃度が低い、

と言うことは、隣接面から電子が頬側面、舌側面に電子が流れ、
両隣接面でも遠心隣接面から流れてくる電子の方が多い。

ということで、隣接面カリエス発症のメカニズムは理解できます。

ちなみに、電子が出て行くところをアノード、電子が消費されるとことをカソードといい、
アノード側が溶解する。

要するにカソード~アノード間には局部電池が形成されており、
この電子の流れをガルバニック電流という。

従来は異種金属間の電流だけをガルバニック電流とよんでいましたが、
それだけではないのですね。

歯自体にも数kΩの電気的抵抗があって、ガルバニック電流は流れます。

全く金属で虫歯の治療をしていない人でも、アルミ箔やスプーンを噛むと
「いや~ん、、」な味(ガルバニック電流)がします。
意外に知られていませんね。

皆さん思い込みで判断しているということです。

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