今日の充填治療348(初中級編)

      2017/07/19

40代女性、左下5、自覚症状なし

露髄しそうなんですが、患者ご本人はそれほど大きな虫歯ではないと思っていたそうです。

突然欠けたけれど、痛くもないし、沁みたりもしない。
そういう症状は健全な象牙質があると出るが、
軟化象牙質(虫歯)に覆われていると出ない。

虫歯はイオン電導性が低いので痛まない。
これは「虫歯の電気化学説」の基本なんですが、多くの歯科医師は理解できない。
僕は一々説明するのがめんどうなので、歯科医師とは付き合わないことにしている。
医師・歯科医師は理系なのですが、物理化学というか理工系の超基本的な話が通じないことが多い。

不思議だ。

この症例を見て、ほとんどの歯医者は歯髄を保存できるとは思わないだろう。
神経を取って冠を被せる治療方針しか思い浮かばない。

軟化象牙質(虫歯)を全部取ると露髄するので、マージン付近だけ健全歯質を出した。
この過程で患者さんを痛がらせて恨まれた。
なんかへんなことをしているのではないかとw
こんなになるまで、一度も痛んだことがなかったそうだからだ。

健全歯質を触ると痛いのです。
これを我慢できる人の方が圧倒的に多いのですが。
この方はまだ十分に2次象牙質ができていなかったのだろう。

α-TCPセメントで覆とうすると、ようやく痛みや沁みは治まった。

CR充填後

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