今日の抜歯再植術シリーズ60

   

40代女性、右上7、歯牙破折、咬合痛+

このところの高齢化が進む時代になり、
90歳〜100歳が当たり前になってくると、

誰しも長生きし過ぎるということがリスクであると感じている。
まず歯がないと食べることができない。

まあ、歯がなくてもそれなりに調理すれば食べることはできる。
宅配の老人食を食べてみる機会があったが、
なんの歯ごたえもない食べ物で、美味しいとは感じない。

極端な話ではあるのですが、
入れ歯になり、認知になって施設に入所し、どろどろのミキサー食を注射器で無理やり食道に流し込み100歳まで生きて行くのがよいのか?
それとも自前の歯で最後まで食べ健康に生きて、ぽっくり逝くのがいいのか?
それはQOLとか言うまでもなく自明のことだろうと思う。

抜歯の原因の1つに歯牙破折があり、抜歯の原因のかなりの%テージを占めている現実がある。
大方の歯医者は破折歯は抜いてインプラントにしようと思うが、
それは歯医者の商売というやつで、
インプラントが結果的によいかどうかはやってみないと判らない。

インプラントは人体にとって究極の異物であることは間違いなく、
排除できないときは包埋する。
この包埋機転が働けばインプラントは見かけは成功で、
排除機転が働けば失敗ということになる。
まあ、一か八かの博打のようなアホな話ではある。

それに引き換え、抜歯再植は失敗することはない。
不器用な歯医者には無理かもしれないが、
人体にとって異物ではないので、それなりにちゃんとやれば生着する。
インプラントと違って元々自分の体の一部分なのだから、それは当然のことだろう。

前振りが長くなってしまったが、
自分の歯でなるべく長く生きていきたいというニーズは強い。

抜歯して捨ててしまいたくない、
インプラントもしたくないとなれば、
抜歯再植という選択肢は患者からすれば魅力的だ。

つづく

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