今日の何やっているの?シリーズ337

   

20代女性、左下5、Per、時々痛い

他院にて沁みるというだけで抜髄(神経を取られた)。。
痛みが治まったら冠を被せましょうと言われたが、
治らなかったので、うちに来た。

小臼歯は咬合時に最初に当たる歯なので、
外傷性に痛くなったり、冷水痛が起こったりする。

ふつうの歯医者は外傷性の知覚過敏、歯髄炎、歯根膜炎とか全く気にすることもない。というか知らない歯医者も多い。それは歯学部では学ばないからだ(少なくとも僕が学生の頃は習っていない)。

痛ければ神経を取る。
そして冠を被せる。

それしか知らなくても食べていけるのだ。
というか、知らない方が食べていける。

しかも、知ったところで食べていけるとは限らない。
神経を残そうとしても逆に痛みが取れず、患者に恨まれることもある。
要するに、さっさと神経を取った方が後腐れがない。

それがこの業界の実態ではあるのです。

レントゲン写真では、ゆるい根菅充填がしてあるが、根尖までは充填されていない。
この部分に細菌が繁殖しているのだろう。
こんな所に好んで生息する細菌もいる。
細菌からすればどこに住もうが余計な御世話だろうが。

CRを除去してKファイルを入れてみた。
ゆるゆるのアクセサリーポイントが数本入っているだけで、
やる気のないエンド治療だけれど、
仕方がない。

まあ、保険診療では5,000円程の処置なので、こんなものだろう。
世界レベルで言えば、1/10以下のお値段ですから、多くを期待してはいけない。
日本の歯科医療の保険診療報酬は、
歯科医療が保険導入された50年前の物価を反映しているお値段で設定されており、それ以降あまり保険点数引き上げは行われていないからだ。

それにしても日本の歯科保険医はよくやっていると思う。
診療報酬1/10で世界レベルの処置をしているのだから。
患者は文句を言ったらバチが当たると思う。

根菅には前回ご紹介したの岩久新潟大学名誉教授の処方によるα-TCPセメントを添入し、

しばらく様子見した後、症状が無くなったのを確認してCR充填で終わった。

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