今日の何やっているの?シリーズ324.01

      2017/06/15

30代男性、右下6、隣接面カリエス、自発痛+

前回の治療は2017/02/21

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-10056/

この時は、髄腔から排膿していたが、冠部歯髄はまだ生きている所見があったので、そのままα-TCPセメントで覆とうしてCR充填した。

その所見というのは、排膿時には腐敗臭はしなかった(細菌感染ではないかもしれない)、切削時に痛みもあり、出血もする(歯髄が死んでいれば、これらはない)。

ところが処置後2週間後には痛くなったので、
どうしてくれる?と最近クレームのメールが来た。

再治療から4ヶ月弱経っているので、
ちょっとふつうではないと思うので、ご報告。

お前の処置が悪かったのではないのか?
失敗なのでは?ということだったが、

ふつうに歯髄が細菌感染しているのなら、もっと早く痛くなって、根尖相当部を中心に腫れ上がると思う。
ここをご覧になっている同業者さんも何がどうなっているのやら、判らないと思う。

2/21の治療は再治療で、
その前の治療はリンクが切れているので、
ここにリンクを貼っておきます。

この時も僕にとってはふつうの治療で、特に問題があるようには思わなかったので、
次の日咬合痛が出ていたがそのまま様子をみるように指示して終わった。
それが去年の10/25のことです。

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-4950/
http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-4951/

それから、段々と症状がひどくなったので、今年の2/21の再治療につながったというわけです。
初診から4ケ月も経っているわけですが、これも理解するのはなかなかに難しい。
ドッグベストの治療を受ける前、最初に痛くなったときに歯髄が細菌感染していたのなら、4ケ月どころか、もっと日数は経過していたはずなので、そんなに長く歯髄がもつのだろうか?という疑問です。

歯髄という組織は細菌感染していても、少なくとも4ケ月は2次象牙質ができるほどには機能を維持しているということになって、歯科医学上の大発見になってしまいますw

初診から8ケ月、もう、がまんしていてもしかたがないので、再々来院されるか、他院で神経を取る治療を受けられるかをお奨めしているところです。

・・この患者さんとメールのやり取りをしていて、気がついたのですが、
米国でも欧州でももちろん日本でも同じなのですが、

「虫歯は細菌感染症」だと歯医者の皆さんは信じ切っているわけです。
で、虫歯(軟化象牙質)をしつこく全部取らないと再発(痛くなる?)すると強迫的に思い込んでいて、がんばります。

でも、その時痛くなっていれば、軟化象牙質を取るどころか、歯髄が細菌感染しているので、歯髄の保存は不可能と判断して、チマチマ虫歯を取ったりしません。
痛くなっていれば、虫歯ごと神経は全部取るか、せいぜい歯髄切断法を採用して、根部歯髄だけでも残す努力をするかの2択しかありません。
それが全世界の歯医者の常識です。

ですから、通常は虫歯をしつこく全部取るという治療はまだ歯髄症状が出ていない段階、痛くなっていない段階での処置になるのです。

僕は虫歯自体は細菌感染症ではなく、電気化学的なハイドロキシアパタイトの腐食だとしていて、
痛くなるような歯髄炎の症状は別の原因があると思っているわけです。

歯髄炎は細菌感染症の場合もあるし、そうではない場合もある。
たとえば外傷性咬合等により歯髄塞栓症が起こった場合です。

歯科医学の常識的には、
痛くなった歯の歯髄の保存は略無理、
ましてや排膿している歯髄の保存は完全に不可能。

こんな処置をして足掛け8ヶ月間この程度で済んでいる。
ここをご覧になっている多くの歯医者さんにとっては、
何が起こっているの??@@;;
だと思います。

もし再々来院される機会があった場合は、歯髄がどうなっているのか?、内部組織の顕微鏡検査で炎症細胞や細菌の有無も含めてご報告予定。

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