外傷性咬合1.02

   

当時30代男性、左上7、咬合痛、温冷痛、自発痛+、歯冠破折

前回のつづきですが、

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-20860/

2012/02/14のことです。
初診から1年半経過しています。

やっぱり痛いので、どうにかして欲しい、、

冷たいものより温かいものが沁みると言われるので、
不可逆性の歯髄炎(悪化する一方で治らない歯髄の炎症)か?
もしかしたら、失活(神経が死んでいる)のかもしれないと思い、
象牙質まで届くように削ってみることにしました。
象牙質に達しても痛みを感じなければ、失活していると判断します。
象牙質は象牙細管という細い管で歯髄と交通しているのです。

画像では CR充填の跡があるので、それより以前にも同じことを1回以上しているようです。

もちろん、どの程度の知覚があるかを調べるのが目的ですから、麻酔は無しです。
知覚は鈍くなっていますが、ある程度掘り進むと痛いような気がすると言われるので、ここまでで切削は止めた。

もしクラックを通して感染した細菌性の歯髄炎なら抗菌剤入りのα-TCPセメントが効くかもしれないと思って、象牙質を覆とうした。
象牙質は象牙細管という長さ2ミクロン程の鍵穴状の断面を持つ細い管が歯髄まで繋がっているので、これを通して薬剤が歯髄に届く可能性はある。

で、CR充填して、様子見することにしました。
処置が終わる頃にはなんとなく痛みが消えたということでしたが、
これを何と解釈するか?
歯髄炎により歯髄腔の内圧が亢進していて、歯髄内の知覚神経を圧迫して痛みが出ているとすれば、
象牙質まで達するように切削したので、象牙質に通っている象牙細管を通して髄腔内のリンパ液が溢れ出て、内圧が降下って痛みが消えたとでも解釈するしかありません。
髄腔は閉鎖空間ですので、炎症が起こると腫れることができずに神経を圧迫して非常に痛むのです。削る時の痛みも同じ原理です。露髄すれば痛みは消えます。

つづく

 - 削らない・抜かない歯科治療, 外傷性咬合