外傷性咬合1.03

      2017/06/18

当時30代男性、左上7、咬合痛、温冷痛、自発痛+、歯冠破折

前回のつづきですが、
http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-20876/

2013/11/22のことで、
前回から1年9ヶ月経過しています。

あれから時々痛かったが耐えられない程ではなかった。
しかし、このところとても痛いので、なんとかして欲しいということでした。

この方は3ヶ月ごとにPMTCで歯周病の管理をさせていただいているので、
ある程度の状況は把握できています。
強く噛むようなことはありますか?とお訊ねしても、
よく分からないが、昔からサッカーだかフットサルだかをしているということだった。
外傷性咬合の習癖があるかどうかは判断できない。
原因は虫歯もないし、クラックが原因かもしれない程度です。

今回も麻酔はしないで、象牙質を掘り進んだ。
かなり深いところまで2次象牙質ができていて、
冠部歯髄はほぼ完全に埋まっていた。

#歯髄は歯の中心部の冠部歯髄と歯根内部の根部歯髄に便宜的に分けて名称がつけられている。

#2次象牙質は虫歯等の持続的な外来の刺激によりできる歯髄の防御機能だと言われています。このキーワードでサイト内検索してみてください。他にも症例はあると思います。

口蓋根(内側の根:画像では下側)は#10の細いエンドチップを入れて超音波洗浄してみたが、かなり深いところで知覚はあるようだが、出血は認められなかった。2次象牙質ができていて、根尖付近は狭窄していて、#10でも穿通できなかった。この表現は歯医者さんにしか解らないと思うが、根管は加齢と共に狭くなる傾向がある。30代後半くらいでは#10が入らないということはほとんどないと思う。
なんらかの持続的な外来刺激があるものと思われる。
このときは分からなかったが、口蓋根は横断的にクラックがあったようだ。

頬側の2根は生きていて出血した。
知覚は鈍磨しているようで、ここまで麻酔なしで処置できる。
歯髄に穿孔したら痛みは消える。

口蓋根も頬側根もα-TCPで充填もしくは覆とうしたが、
頬側根はなかなか止血できなかった。
これは色からみて、血液というよりはリンパ液で、
いわゆる漿液性の歯髄炎という状況だと思われる。
歯髄の内圧が炎症で亢進していて痛みがでていると解釈できる。

リンパ液が滲み出てくるのは止まらなかったので、
細菌感染する前に急ぎCR充填して、
経過観察することにした。

この状況で歯髄を保存しようと思う歯医者さんはいないと思う。


つづく

 - 削らない・抜かない歯科治療, 外傷性咬合