今日の2次カリエスシリーズ84.03

   

70代男性、右上7、メタルインレー2次カリエス、自発痛ー

前回のつづきです。

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-20968/

メタルインレーにセメントを用いない時代があったとか、
アマルガムや金箔充填にはそもそもセメントを使わないが、
長期的に安定だとかいう理由は10ミクロン以下の隙間なら、
好気性の酸産生細菌は住めないので、
露髄または仮性露髄がなければなんとか大丈夫だよ、というお話をしました。

今はセメント(接着剤)におんぶに抱っこの時代なので、
セメントなしとかふつうの歯医者さんは考えられないでしょうが、
現実には5〜10年もすればセメントは利いていないのが現実です。
しかし意外にも虫歯にならないケースは多いのです。
この辺りの考察はスルーされているのが今の歯科医学の現状ではあるのです。

歯には咀嚼のたびに数kgの荷重が連続的にかかる現実があり、
瞬間的には数十kgの荷重がかかることも珍しくないとなると、
修復材料と接着方法に工夫が必要となる。

僕がCR充填を多用する理由は適切はボンディング材を選べば、
経験的に長期にわたって接着剥がれがおきにくく辺縁漏洩が少ないことを経験しているからです。

これはなぜかと考えてみましたが、
1つは接着面が不整面でアンダーカットがあり、咬合力が分散しCRのダツリや破折に至るのに抵抗しているということと、
2つはCRの素材自体の物理的な性質が歯質のそれに近いので、咬合力に対する変形が似たようなものになり、接着面のズレによる接着剥がれを起こしにくいと考えています。

実際のCR充填の窩洞形成方法は接着力を維持するために新鮮歯質を1mm以上確保できればよく、露髄させてでも軟化象牙質(虫歯)を全部取ろうなどと考える必要はありません。
虫歯は細菌の存在とは直接には関係ないハイドロキシアパタイトの電気化学的な腐食だからです。
もちろん露髄や仮性露髄している場合はそれなりの対策は必要になります。
その部分から歯髄に細菌が侵入し歯髄炎を起こすからです。

上顎7番遠心を直視下で形成するのは難しいので、ミラーテクニックか、ミラーで確認しながら、頭の中のイメージで形成するしかない。
この症例もそうだが、歯肉縁下の窩洞にはラバーダム装着はそもそもできないが、唾液がかかることを恐れる必要はない。
ボンディング材塗布〜CR充填までの間、乾燥状態を維持できればよい。

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