今日の何やっているの?シリーズ350

      2017/09/12

50代女性、右上6、冷温水痛+、自発痛+、咬合性外傷

クラック、つまりヒビが入っていて、電解質や細菌が歯髄に侵入して歯髄炎の症状を起こす症例です。

予防歯科を長年やっていると歯周病や虫歯で抜歯することはなくなるので、外傷性の咬合で歯牙破折が起こり抜歯に至るケースが抜歯の原因の第一位を占めます。

症例はかなり多いのですが、歯医者にできることは限られています。
ナイトガードで咬合力を分散させる。
CRとα-TCPセメントでクラックを充填する。
補強冠で割れて離断するのを先送りする。
最終的に歯牙が破折しても抜歯再植で本当の抜歯を先送りする。
その程度です。

ふつうは抜歯は避けられません。

歯牙破折の原因としては外傷性の咬合がベースにあるのだが、本人には自覚がないことが多い。
ことさら強く噛む習癖があったり、硬いものが好きとかしっかり噛まないといけないと思い込んでいるとか、常時噛みしめているとか就眠時にくいしばりや歯ぎしりをしているとか、そういった歯に外傷的な力をかけ続けるような咬合習癖のことですが、本人には自覚がない。それが普通と思っている。

それだけにやっかいなのです。

咬合性の外傷のある方は骨隆起があるので、すぐ判ります。
この骨隆起は誰にでもある訳ではありません。

骨隆起は骨に持続的な力がかかり続けると、骨は変形するのですが、その変形を防ぐために骨が厚みを増すのです。

この方の場合も一見して外傷性の咬合があることが判ります。

上顎の正中に骨隆起、矢印が今回の問題の歯。

下顎にも骨隆起が多数見られる。

つづく

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