今日の抜歯再植術シリーズ3.01

      2017/11/08

50代男性、右上4、抜歯再植6年半経過

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-1205/

この時の続きなのですが、6年経過して、レントゲン写真を撮ってみると、
歯根が吸収されている所見がありました。
このまま放置していても、歯根がどんどん吸収されていき最後は無くなってしまうのではないかと思い、ダメ元で再々植をしてみることにしました。

どうなっているのかは実際に抜いてみないと判らないというのもあり、
もし抜けるのなら助けてあげたいというつもりもありました。

before

固定を除去して歯牙を揺すってみると、ビクともしません。隣接歯は歯根膜という歯槽骨と歯根との結合組織の範囲で少し動くのですが、4番は全く動きません。

アンキローシスという骨と歯根が癒着している状態のようです。
生体は外来の異物を、貪食して排除するか排除しきれない時は包埋するかどちらかの反応を示しますが、この場合は両方の反応を示したと解釈できます。

インプラントは生体が排除しきれないと判断して骨で包埋した状態を成功と称していると解釈できます。

アンキローシスの場合は抜こうとすると歯根が途中で折れますので、抜歯は中止しました。

このアンキローシスというのはインプラントと同じ状態になっていて、クッション性がありませんので、対合歯に2倍の沈み込みを要求し、対合歯が傷みそうです。この歯も遊びがないので折れるかもしれません。
とりあえず、ナイトガードと咬合調整で経過観察することにしました。

同様の所見のある症例は2件抱えており、抜歯再植の失敗例と言えないこともないと思います。10年以上前から200症例以上していますので、アンキローシスになるのは約1%ということになります。

とりあえず再接着固定で様子見。
その後変化があれば報告予定。

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