今日の抜歯再植術シリーズ68.02

   

40代女性、左下5、穿孔、Per、ブリッジ脱離

歯医者は患者が歯が痛いというと、神経を取って、ポストを入れて、冠を被せるという一連の治療行為をすることが正しいと思っているが、

現実は厳しい。いろいろと上手くいかないことは多い。

根尖部分はピンクの根管充填材が見えている部分だけではなく、別のところにも根尖口がある。というより、これも器具で穿孔させてしまった穴を充填しただけで、本来の根尖口は別にあったということかもしれない。
どちらにしろ、穴はちゃんと埋めないと隙間に細菌が繁殖してトラブルを引き起こすことはよくある。だからエンド治療にはラバーダムが必須だとか、顕微鏡で見ながらした方が良いとされるが、根尖付近はどちらにしろ手探り、指先の感覚だけが頼りなので、完全完璧にできる歯医者はいないのが現実だ。当然ながら歯医者は神様ではない。

エンド治療は苦労する割には上手くいかないことも多いのはよくある話で、最も良い対処法は最初から神経を取らないことに尽きる。信じられないかもしれないが、感染根管でも極力いじらない方が予後が良いことをよく経験する。

内部は虫歯になっていて、細菌と軟化象牙質でドロドロになっている。この部分は除去した方が良い。特に根尖付近と根管口付近はちゃんと取らないと漏洩してトラブルの原因となる。

脱離したポストと根管の隙間は酸産生菌の好気性、通性好気性の細菌が繁殖しやすい環境となっており、外部から細菌の餌になる口腔内の糖質やたんぱく質も噛む度にポンプのように根管内に吸い込み、どうしても虫歯は進行しやすい。

この症例では抜歯して直視下で虫歯除去処置をしないと完全には綺麗にはできない。
通常は抜歯の選択肢しかないだろう。

綺麗にするとチクワのようになっていて、向こう側の拡大した根尖口から外が見える。

これは根管形成バーによる穿孔部分だ。

つづく

 - 削らない・抜かない歯科治療, 今日の抜歯再植術シリーズ