今日の抜歯再殖術シリーズ4

今月は抜歯再殖術が多いです。
まあ、ふつうは抜歯になるところを抜かずに済むかもしれないということで、
ほとんどの患者さんはこれを選択します。
僕が患者でもそうします。
経費が安いので、インプラントの1/10の価格です。
しかもインプラントと違い歯根膜があるので、外傷性咬合にならない。
しかし、破折線から感染しやすいので、定期管理が前提となります。
60代女性、左上2の歯根破折、自発痛−。
下顎は両側性の義歯になっている。
左上2には前装冠が入っていたのですが、ポストの尖端付近から破折している。
よくあるパターンです。
こういう症例では連冠にせざるを得ないと思います。
他院で抜いてインプラントにしましょう。30万円です。と言われたのでうちに来られた^^;
この不景気ではなかなか厳しいでしょう。。
なるべく歯根膜を損傷しないように抜歯し、
膿瘍は除去する。
膿瘍の組織を位相差顕微鏡で見るとバクテリアがぎっしり詰まっているので、かなりビビります。
潰さないように眼科用の細いハサミで丁寧に切除しましょう。
歯根内面の軟化象牙質は時々抗菌剤入りの生理的食塩水に浸しながら、
丁寧にエアタービンで削除し接着の前準備をします。
エッチングして◯ーパーボンドの筆積みで一挙に張り合わせます。
今回はポストを入れました。
抜歯窩に再殖して、隣在歯と◯ーパーボンドで接着固定して、仮封材で傷口を包帯し、ついでに歯を作る。
抗生物質は4日分投与。4日後包帯を切除予定。さらに2週間〜1ヶ月生着するのを待って、冠を作る。
隣在歯とは固定する。