若い子シリーズ31

      2018/01/13

14歳男子、左下6、fluoride bomb(フッ素爆弾)caries、自発痛ー

フッ素爆弾とかfluoride bombとかのキーワードでサイト内検索するといくつか出てきますが、
例えばこういった症例です。

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-2446/

若い子に多く見られるので、フッ素の使いすぎだ(フッ素でエナメル質の表面だけが硬くなる?)とフッ素反対派は言いますが、違うでしょう。
エナメル質と象牙質のイオン化傾向の差が若い子程大きいことにあると思われます。

昨日食事中に割れたとかで破片を持参してくれましたが、

見事にエナメル質しか残っていません。象牙質だけが綺麗さっぱり溶けてしまっています。

細菌が出す酸だけでこんなに綺麗にエナメル質だけが残るなど考えられません。酸で溶けるのなら多少なりともエナメル質も溶けても良いと思いますが、そうではありません。
エナメル質と象牙質が腐食電池の電極になって象牙質だけが腐食するのです。
若い子程、エナメル質と象牙質との自然電位の差が大きいのでしょう。

Xrayでは露髄していると思われますが、痛みは重曹うがいで収まった!とか言っていましたので、このままCR充填をしてみることにしました。

歯髄への痛みの刺激はH+の伝導によるものですので、重曹でH+を除去すれば止まります。

象牙質が溶けてしまったので、エナメル質だけでは咬合力に耐えられなかったのでしょう。遠心半が割れて無くなっています。

歯肉縁より下の象牙質まで溶けていたようですので、歯肉を電気メスで除去しました。麻酔は歯肉だけで、歯髄にはかけていません。

軟化象牙質を除去する過程で痛みがあるようでしたので、歯髄は失活していないようです。

α-TCPセメントで覆とうして

CR充填しました。
ストリップスを使う方が難しいので、
多回数法による積み上げで築成しています。

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