今日の充填治療その113

      2017/03/20

50代男性、右上4、自発痛-。

同じ歯でも遠心に虫歯ができやすいのは、
歯も金属と同じように電導性があり、
電気化学的には奥の方が相対的に酸素が少なく電子を奪われやすいという
金属の通気差腐蝕と同じように解釈できるのではないかと考えています。
検証はこれからですが、山口大の藤森准教授がやってくれると思います。

この症例は6年前に咬合面をCR充填しています。
黒の矢印の部分にその時のα-TCPセメントが見えますが、問題は生じていません。
辺縁封鎖は6年間問題なく保たれていたようです。
辺縁封鎖が破れるとα-TCPセメントは溶けてしまいます。

現在のところCR充填がもっとも辺縁閉鎖性がすぐれていると思います。

CR充填のテクニックとしては以前からある「トンネリング技法」と呼ばれている方法で、
咬合面から斜めに隣接面のカリエス部分にアクセスします。
白の矢印がアクセスの方向で、
あらかじめ隣の歯を傷つけることがないように、隣接面間にストリップを挿入しておきます。
もちろん無麻酔でいけます。

二方向から撮った画像を時系列で並べておきますので、ご参照ください。

このように辺縁隆線を残しておくと歯の外形を保ちやすく、充填後の咬合調整が楽になります。
この症例では、つづけて咬合調整の様子をアップする予定です。

当然ですが、歯を修復するとかならず調整が必要になります。
無調整で充填で終わり。。というのは、通常はありません。

なぜかと言うと、治療している歯だけで調整が終わり、ということは実は少ないのです。
だんだん咬合が見えて来ると、いろいろと問題点が目につくようになってくるからです。
ほとんどの歯医者だけではなく患者も、その歯だけを調整すれば、それでよいのではないかと思いがちですが、
そうではないことが多いのです。

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