若い子シリーズ32
2018/02/06

5歳男子、右上DE、隣接面カリエス
この手のカリエスはよく見かけるのだが、その発症は2歳頃に遡る。
これらの歯が萌え揃う2歳頃まで、離乳はできなかった子にできることが多い。
最初は小さなカリエスだが、その後徐々に進行し、5〜7歳で突然穴が開き症状がでるが、
突然虫歯ができたわけではない。
もちろん麻酔もラバーダムもしない。辺縁封鎖性を確保できればいいので、虫歯を除去し新鮮歯質を確保するのはマージン付近だけだ。
虫歯は細菌感染症ではなく、電気化学的な歯牙の腐食なので、酸性環境になく、歯牙の内外で腐食電位が泣ければ、進行は止まる。
要するに歯牙を通り抜ける水素イオンが内部に侵入できなければよいのだ。
辺縁封鎖性が確保できれば中心部の虫歯は残しても差し支えはない。
さらにα-TCPセメントで覆罩すれば、虫歯も再硬化するし、辺縁封鎖が破れてもしばらく持つ。
CR充填は2回法を使った。
1回目は直視下で封鎖性を確実に確保する。
2回目はストリップスを使用してもよい。
気泡が入ろうが、CRが完全に入っていなくても問題ない。
治療後に「痛かった?」と訊いても、「ふつう」と答えた。
「ふつう」って?w