細菌の住む世界

      2017/02/26

お口の中の細菌はバイオフィルムという塊りを作って生活しています。
この塊りは数百種類の細菌が集まって生態系を作っていると言われています。
では、どうして集まらないといけないのでしょうか?
その前に、人間が細菌と同じくらいの大きさになってお口の中に入ったと仮定しましょう。
身長1.7mの人間が1/100万になったとすると、
1mの1/1000が1mm、そのまた1/1000が1μm(ミクロン)ですので、
1.7μmとなります。
これくらいが細菌の大きさです。
小さい丸い形のもので、0.5μm。
ミュータンス菌は1μmくらいです。
逆にこれが人間くらいの大きさになったとすればですが、
直径1mくらいの玉を持ち上げるのを想像してみてください。
ミュータンス菌はこんな感じになるのです。
形も様々で、
円筒形の米俵のような形のものがいます。
直径1m、長さ2~3mくらいです。
円筒形が100mにも成長する長いものがプラーク中には多いので、
体積的にはこれが多くを占めます。
鞭毛(べんもう)という尻尾を持ってものすごい速さで泳ぎ回るのもいます。
鞭毛の付け根にはモーターが付いていて、
鞭毛をぐるぐる回して推進するのです。
人間の精子もこんな形です。
細菌も人間も同じDNAを持つ生き物なので、
人間の先祖は鞭毛をぐるぐる回して動き回る歯周病菌と同じ?なのかもしれません。
鞭毛が体に巻きついたかっこうになっている螺旋菌と呼ばれるものもいます。
コイル・スプリングがくるくる回っています。
こんなふうに見えます。
鞭毛を持っていなくても、円筒形の体をくの字にくねくね折り曲げて動き回るものもいます。
これらの細菌を観察していると、
細菌が単独だとあちこちに流され、飛ばされ、
まるで荒波に翻弄されている木の葉のように見えます。
ミクロの世界の水の中というのは、ものすごい荒波の中。
例えば暴風雨の中を泳いでいることを想像してみてください。
そんな感じなのです。
これは水の分子が熱運動をしているからなのですが、
細菌のような小さな生きものにとってはたいへんなことになるのです。
くっつきあって塊りになると、全く細菌は動かなくなります。
だから、集まって生活することはとても合理的なことなのです。

 - 削らない・抜かない歯科治療, バイオフィルム