今日の抜歯再植術シリーズ77.00

   

40代女性、左下6、咬合痛+、排膿+

5年前に神経を取って冠を被せて以来、咬合痛があったそうです。
典型的なPerで、根管内にバイ菌が入っていたのでしょう。
噛み合わせが高かったのもあったのかもしれません。
Xrayを見ると手遅れで、歯槽骨がほとんど失われています。抜歯以外の選択肢はなさそうに思えます。

通常の歯科医学の診断基準ではそうなのですが、
あえて保存にチャレンジしてみました。

術前

冠除去後

抜歯してみたが、ほとんど歯槽骨はなかった。
抜歯鉗子で簡単に抜けた。

鋭匙ピンセットで膿瘍を探ってみたが、それほど多くはなかった。
あまり追求するとセメント質や歯根膜再生に必要な細胞が壊れるような気がして、
生食水で洗浄して、適当に切り上げたw

抜歯歯牙の歯根表面を見てみたが、少しは歯根膜が残っているような気もする。
正常な歯根膜は遠心根のさらに遠心だけだが。

頬側

舌側

一番問題なのは根尖部分。
根尖口は内部がFeSで黒くなっており、硫酸塩還元細菌の住処になっている。
根尖付近の象牙質は吸収されているので、長期間に渡り炎症性組織に覆われえていたことが伺える。
分岐部には白い細菌のコロニーが見える。

つづく

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