今日の充填治療392(中級編)

   

フランス在住50代女性、右上5、歯根面カリエス

クリスマスの頃、チョコレートを食べたら激痛で、眠れなくなった。
これはただ事ではないと思ってパリの歯医者さんに行ったが、神経を取るしかないと言われた。治療をするなら日本に帰ってからしたいと思い、ネットで見つけた重曹うがいをすると痛みが治まったので、重曹うがいをし続けていた。
日本に帰って歯医者さんに行ったが、やはり神経を取るしかないだろうということだったので、セカンドオピニオンを求めて来院された。

Xrayでは大きな虫歯で神経に近づいている。
痛くなっているのも当然かと思います。

重曹うがいで虫歯の痛みが落ち着く理由は虫歯の成因と関係があって、よく言われるように虫歯菌が歯髄に侵入し始めたということではなく、
電気化学的には、
歯質を水素イオンが通り抜ける時に虫歯側(外側)に移動していたのが歯髄側(内部)に移動し始めるからだ。
つまり水素イオンに対する電気的抵抗が外向きより内向きの方が低くなるということだ。

・・ま、簡単に言うと痛みが出るのは歯髄に電流(水素イオン)が流れ始めるからだが、重曹でその水素イオンを中和反応で除去すると痛みは治まる、ということだ。

要するにこの水素イオンの流れを遮断も若くは可及的速やかに除去できれば虫歯も進行しないし、痛みも治まる。簡単なことだ。

虫歯は大きいのだが、直視は難しい。象牙質は腐食しているがエナメル質は腐食し難いからだが、従来の虫歯の成因説のように単純に歯が酸に溶けるというのであればその説明はできない。象牙質もエナメル質も同様に溶けるはずだ。
象牙質とエナメル質に水素イオン雰囲気中での自然電位の差(イオン化傾向)があればイオン化傾向が大きい方が溶ける。
要するに象牙質だけが選択的に溶ける。
これは以前確認している。興味のある方はキーワードでサイト内検索してみてください。

口蓋側

頬側からエネメル質を少し除去してみた。この穴から新鮮エネメル質を出す。虫歯(軟化象牙質)を完全に除去する必要はない。虫歯は細菌感染症ではなく、再結晶して治るからだ。

α-TCPセメントで覆罩する。ハイドロキシアパタイト系セメントで虫歯は急速に再結晶化して治る。虫歯に原料を供給しかつアルカリ性だからだ。

CR充填は2回法を用いた。辺縁漏洩があると処置は失敗するからだ。

充填後

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