今日の充填治療397(中級編)

   

17歳女子、左上7、頬側面カリエス

この部位は虫歯の好発部位で歯医者泣かせだと思う。
CR充填は困難なので、インレーにしようと思えば、大きく削るしかなく、予後は確実に悪くなる。

この子の反対側にはこのような虫歯はないので、どうしてなのか?と思って、最近誰にでも訊いている「寝相」を調べてみた。

虫歯の部分を上にして寝ているそうだ。

このことから虫歯の発症に大きく関わる因子が特定できる。

まずこの部分が虫歯になりやすい原因は歯ブラシが届きにくくムシ歯菌による酸の発生があり、さらに唾液腺開口部がこの部分より前にあるので、唾液による清浄作用が期待できないからだと一般には言われている。

虫歯の電気化学説での解釈は以上に加えて、ほっぺに緊密に覆われているので、酸素濃度が低くなるので、酸素濃度差腐食が起こりやすい。また、唾液がかかりにくいので、唾液中の重炭酸イオン(重曹成分)による酸の中和反応が起こりにくい(これを唾液の緩衝作用とよんでいる)という2点が加わる。

では虫歯の部分を上にしているとなぜ虫歯になりやすいのか?
また逆に下の方が虫歯になりにくいのはなぜか?

上記の理由から、唾液は下に集まりやすいから虫歯になりにくのではないか、という結論になる。
唾液の緩衝作用により虫歯になりにくいのだろう。
もちろん「重曹うがい」の重曹水も下に集まる。

酸がなければそもそも虫歯にはならないのだ。

http://mabo400dc.com/dental-treatment/diffusion-path-conduction-mechanism-protons-hydroxyapatite/

この部分は直視下での処置は難しいのでミラーテクニックに頼るしかない。もちろんコンパクトヘッドのエアタービンと最適な大きさのラウンドバーでないとアクセスできない。

CR充填後。どうにかすれば最小限の侵襲でCR充填を終えることができることが分かると思う。

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