今日の充填治療399(初級編)

   

40代女性、左下8、インレー不適

特に虫歯というわけではないが、必要があってインレーを除去してみると、インレーの内面は黒いFeSで覆われていることが多い。
これはとうの昔に合着セメントは接着力を失っていて、その隙間にFeSを最終代謝産物とする嫌気性の硫酸塩還元細菌が侵入繁殖していることを示している。

インレー除去前

ただし隙間があっても直ちに虫歯にはならない。虫歯の電気化学的にはFeSは電気伝導性が低いので虫歯の進行を抑えられていると解釈される。
もう少し大きな隙間で好気性、通性嫌気性の酸産生菌が優勢になってくると2次カリエスと呼ばれる状況になる。
要するに十分に狭い隙間なら虫歯にはならない可能性があるということだ。
アマルガム充填や金箔充填はセメントがなく、狭い隙間があるが虫歯にはなりにくいのはそういう事情がある。

綺麗にして、CR充填した。

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