酸蝕症の電気化学的考察3

      2018/05/19

で、前回の続きなんですが、

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-26502/#comment-1289

このポンチ絵は前掲の

http://ms-laboratory.jp/zai/part4/5/5.htm

の中の

(以下引用)

(b) 濃淡電池(塩濃淡電池)
 
 同一の金属で作られた二つの電極を,濃度の異なる同種の電解質溶液に別々に浸漬したときに形成される電池である。図3で1極を濃厚溶液中に,他極を希薄なNacl溶液に入れたときに,両極を短絡すると希薄な溶液中には極板からCuが溶出し(アノード),他の電極には電解質溶液からCuが析出する(カソード)。すなわち,2極上の反応は,各々の電極が浸されている溶液の濃度を等しくする方向に進む。つまり、希CuSO4には銅イオンCu++ が溶け出し、銅イオン濃度を上げ、濃CuSO4から銅Cuが析出して銅イオン濃度を下げようとする。

     ・アノ-ド(希CuSO4)   Cu → Cu++ + 2e-
     ・カソード(濃CuSO4)   Cu++ → Cu - 2e-


 
図5.3 濃淡電池

(引用ここまで)

というものを、歯にみかんの果汁が主に付着している歯の先端のCa++濃度が低い部分と、Ca++の飽和溶液(Ca++濃度が高い)の唾液が主体となっている歯茎部分との間に電位差が生じるというものに置き換えた図です。
エナメル質と象牙質間の自然電位差だけではプロトンを汲み上げて切縁の象牙質内のCaから電子を奪いプロトン:H+はH2↑となりCaはCa++となって溶出する(歯が溶ける)のは難しいが、Ca++濃度差があればそれは可能で、pH3程度の酸性度でも歯牙は溶けるということです。

ちなみに目に見えて歯が溶けるのはpH0〜pH1というような強酸で、歯医者さんならよく知っているそれぞれオレンジ色のエッチング液と緑色のエッチング液のことです。


  

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