今日の2次カリエスシリーズ93

   

30代女性、左下6、2次カリエス

見た目はそれほどでもないが、

メタルインレーはエキスカベータで簡単に外れた。
セメントは効いていない、内部は黒い。

見た目の歯質は硬そうだが、
軟化象牙質は広範囲に及んでいる。
軟化象牙質というのは虫歯のことだが、歯医者しか見ることはできないのかもしれない。それってどういうもの?と質問が来る。
ちょっと硬めのチーズの触感だ。
象牙質の30%は有機質なのでミネラル分が溶けてしまっても原型を保っているのだ。

隣のインレーにも2次カリエスが見える。

軟化象牙質を除去してみると、健全歯質は思ったより少ない。
この処置の過程で麻酔は使っていない。痛みを感じるとこれ以上削らなくてもよいと判断する。
CR充填の技術を持たない歯医者は神経を取って冠を被せる処置を選択する。それしか知らないし、CRよりはるかに儲かるからだ。

α-TCPセメントで覆罩。このセメントはハイドロキシアパタイト系セメントつまり歯質と同じ成分でしかもアルカリ性(三金のType2)なので、軟化象牙質の再硬化を促す。
また、CRに接着剥がれが生じたときにはこのセメントが歯質より先に溶けて、歯を守ってくれる。
同業者向けの講演会でこのセメントを紹介しているが、知っている歯医者さんは少ない。もちろん健保適応品ということも知らない。とても使い易いセメントなのだが。

CR充填2回法の1回目

CRの素盛りの状態。ストリップスは使用した。

咬合調整後

 - 今日の充填治療シリーズ, 削らない・抜かない歯科治療, 今日の2次カリエスシリーズ