外傷性咬合7.01

      2018/10/23

40代男性、左上7、歯牙破折、自発痛ー

この時のつづきというか、10日も経たないうちにナッツを食べていたら、前回とは別の歯が割れたということで再来院された。

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-28797/

痛みは無いが、口蓋側のクラックが開いていて爪がかかる程だという。
咬合面のCRが一部破折していた。

食いしばる癖が昔からあったが、それで歯が破折してしまうとは全く思っていなかったそうだ。むしろ食いしばりることには肯定的なイメージを持たれていたようだ。
例えば、寒い冬、原チャリに乗っている時、歯を食いしばって寒さを堪えていたという話をされた。

口蓋側の歯肉が腫脹しているように見える。クラックや根尖口に細菌感染している所見だ。

これが2週間前の画像。黒がクラック、白が腫れている所。まだ白くはなっていないのでそれほど酷くはない。

CRを除去している途中。

CRをあらかた除去したところ。
以前、3MIX-MP法を受けたと言うが、よく判らなかった。
この技法はペースト状なので、CRをすることが困難なはずなのだが、空洞などの痕跡が認められなかった。

髄角に穿孔が認められたが、知覚はない。
僕はほとんど全ての歯科治療を無麻酔で行う。
痛みを感じたら、それ以上いじる必要はないという判断をする。

穿孔を広げてみても、知覚もないし、出血もしない。

これは失活している(神経は死んでいる)と判断して天蓋を除去した。
軽い腐敗臭がしたので、超音波スケーラーのエンドチップで根管内を洗浄することにした。
頬側と近心のクラック部分も開拡しておく。

α-TCPセメントで根菅充填する直前、頬側の2根(楕円)は閉塞していた。口蓋根(矢印)だけは根尖まで開いている。
このことから穿孔した頃にはまだ歯髄は生活していて、頬側根は2次象牙質により閉塞し、失活したのはその後ということになるが、本人には痛みなどの症状が出たという記憶がないそうだ。

クラックは2つあって、このクラックが広がり交わると破断すると思われる。

1回目は固まらないように、精製水で混和して充填する。

2回目は固まるように通法で混和したもので覆とう。

CR充填後

補強冠の形成・印象をして

補強冠のセット。これがないと早期に破断してしまうだろう。

ナイトガードを作製して、

この部分の腫脹がどうなるか経過観察。
次は抜歯再植しか手はないと思う。

ちなみにこの方の奥さんも食いしばりの癖があってナイトガードを使っているとかで、まさか自分も使う羽目になるとは思ってもみなかったそうだ。

最近こういう方、非常に多いです。そして必ず歯や顎関節のトラブルを抱えていらっしゃいます。
一体、どうなっているのでしょうか?

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