今日の充填治療414(上級編)

   

30代女性、左上6、遠心カリエス?

やたら沁みるので歯医者に行ったら神経を取るしかないと言われたとかで、
うちに来られた。
この歯だけひどい虫歯になっているが、その経緯も不明で、覆とうもしてあるし、結構歯医者さんが治療を試みた跡があるのだが、歯肉息肉は迷入しているし、はっきり言って何をしたかったのか不明だった。

たぶん、よく見えないし、切削バーは届かないし、CR充填はできないし、歯髄の保存治療は困難だったのだろうと思う。

仮封セメントを除去する過程で、やたら痛いとか沁みるとかおっしゃる。
普通はそれほど痛くはないのだが。。原因は不明だが歯髄に炎症があるのだろう。
外傷性咬合があるのだろうか?

赤い軟組織が見える。歯髄息肉ではなく歯肉息肉だった。
歯肉息肉が迷入するほどの隙間が歯質と仮封セメントの間にあったようだ。
これが沁みる原因だとも思えない。息肉が象牙質を覆っているのだから沁みにくいはずだ。

歯肉息肉を電気メスで切除するときに麻酔を使うので、歯牙にも麻酔したが、効きが良くなかった。歯髄の炎症がひどいのか、歯根が長くて麻酔剤が届きにくいのか、レントゲンを撮っていないので原因は特定できなかった。

覆とうセメントがちゃんとしてあるように見えるが、内部確認のため剥がしてみることにした。露髄しているようにも見えるがしていないようだった。していても抗菌剤添加α-TCPセメントで覆とうすれば問題がないことが多い。

黒いFeSで内部が覆われている。硫酸塩還元細菌がFeSを代謝する程のかなりの長期間隙間があったことがうかがわれる。これは虫歯ではないので全部除去する必要はない。

α-TCPセメントで覆とう後

1次CR充填。隙間ができないようにCR充填は2回に分けた。

2次CR充填

その後まだ冷水痛が残っているようだが、温痛が出てこなければ問題はないと思う。
最初から自分で手がけていない症例は先が読めないので、こちらがいつまでも気になってしまう。

 - 今日の充填治療シリーズ, 削らない・抜かない歯科治療, 外傷性咬合