外傷性咬合8.00

      2018/11/09

50代女性、右下7、頬側歯茎部カリエス

この方、『せんせー、、やっと上がったの(生理が)!ばんざーい\ ( * ⌒ ▽ ⌒ * ) /」とやってきたことがある。
なんのことかと訊いてみたら、生理の周期に合わせて、頭痛で起き上がれなくて毎月寝込んでいる日があったそうで、
ま、それから解放されたということだったようです。

女性は大変だよね。。とは思うが、男性には解らない話ではある。
いろいろ聞いてみると、結構壮絶な話が多いガク((( ;゚Д゚)))ブル。
この方の場合、噛み締め系の外傷性咬合があるよねー。。とは思っていたが、生理周期に合わせて側頭筋の過緊張で頭が痛くなるほど、食いしばっていたようだ。
歯医者も女性の外傷性咬合の診断をするには婦人科系のことも勉強しないといけないのか?
今後の課題だ。

今日は多分それと関係があると思うが、歯茎部カリエスの話だ。
この部分は外傷性咬合による応力が集中する部分で、応力腐食割れが起こりやすい。
歯科医学的には応力腐食割れという概念はないので、この部分の虫歯をうまく説明できない。
あ、磨けなかったのね?とか唾液による清浄作用が良くなかったのね?
といったところだ。

最初の画像を見ていただくと、エナメル質に多数のクラックが生じている。これは外傷性咬合の所見だ。
外傷性咬合があると、歯冠部はゴムまりのように潰れ、歯槽骨で押さえられている歯茎部に応力が集中する。
でこの部分に細かいクラックが入り歯質は電気化学的に腐食・崩壊していく。
この現象を応力腐食割れという。

またこの部分は頬粘膜により覆われていて、酸素濃度が口腔内で最も低くなるので、酸素濃度差腐食の腐食電極となり、
この部分だけ特異的に腐食する(虫歯が進行する)。
金属の電気化学的腐食と同じ現象だ。

僕はこれらを「虫歯の電気化学的説」と呼んでいる。
歯質を構成するハイドロキシアパタイトは水素イオン:プロトン:H+を伝導するイオン電導性セラミックスだから金属と同じに扱える。厳密には電子とプロトンなので、電気的極性は逆に考えなければならないが。

虫歯は3mm程の深さまで進行していた。

とりあえずCR充填した。イオンの流れを遮断すれば虫歯の進行は止まる。

頬粘膜でこの部分はいつも覆われている。

「虫歯の電気化学説」は世界中の歯医者にとっては不都合な真実なのだろう。誰も追従しない。今まで言われてきた虫歯の原因も対処法も間違っていて、虫歯は進行する一方で治らないので、早期発見早期治療(削って被せる)が必要!などという人類にとって何の得にもならないビジネスモデルが崩壊してしまうからだ。
また、フッ素で予防というわざわざ毒物を使う馬鹿げた発想も消えて無くなってしまう。
「重曹うがい」(アルカリで酸を中和する)の方がはるかに効果的だからだ。

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