今日の何やっているの?シリーズ410

   

京都在住30代女性、左上6、Per+GA、違和感有り

半年程前にインレーの再製作をした次の日から痛み出して、腫れたそうです。
それ以来、あちこち歯医者を探していて、ひょんなことからうちに来られた。

時々腫れて膿が出るということで、その痕が見える。
口蓋根が感染していることが判る。
今回の主訴ではないが奥の7番も、もしかしたらPerかもしれない。

咬合面観

インレーはセメントが効いておらずカットしただけで簡単に外れた。

インレーの裏側も硫酸鉛還元細菌の代謝産物のFeSがこびりついている。
半年前にセットしたにしては、脱離が早い。マージン不適合でデンタルフロスで浮いたのかもしれない。
あるいは外傷性咬合があるために早期にセメントが崩壊したか?

セメントを除去してよく見てみると、髄角が露髄している。
露髄に気が付かず処置を進めたために、歯髄が細菌感染してしまったようだ。

少し開拡すると露髄部分が拡大するが、知覚はない。
冠部歯髄は完全に失活しているようで、腐敗臭がする。

あらかじめCRの2回法で歯冠修復しておく。
1回目

2回目

これから根管治療を始めます。
天蓋を除去すると歯髄は溶けてしまっている。
根管は3つ。

超音波スケーラーのエンドチップで根管内を洗浄してみると、口蓋根は根尖まで完全に失活していたが、頬側2根は知覚があったので先端付近が生活していることが判った。

このままα-TCPセメントの2回法で根管を充填した。緊密に充填する必要はない。無理をせず載せるだけでも良い。
1回目は精製水混和

2回目は通法で

CRで充填して経過観察。隣接面はコンタクトが緩かったので調整。
念のため抗生剤1日分投与。

一般的な根管治療と大きく違うので、理解できないと思うが、結構治ります。
1回で治らない時は、再度セメントを交換することもあります。

咬合調整後にナイトガードの印象をしました。

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