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今日の2次カリエスシリーズ101.02

 
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70代男性、右下7、穿孔+ブリッジ2次カリエス、000757

穿孔はともかく、ブリッジの2次カリエスというものは、抜歯に直結する。
抜歯ということは取り外し式の入れ歯が視野に入ってきたということだ。

2次カリエスが早期に発見できないで、抜歯、もしくは一歩手前に追い込まれる痛恨の事態はどうしても避けたい。

なぜなら、義歯、特に総義歯の咬合力は天然歯列の1/3に落ちる。
特に女性は元々咬合力は弱いので、総義歯になると急に老け込む。
これは食べられるものが減り、栄養不良になるからだ。

老け込むのは年の所為というわけではない。
歯があればいつまでも若くいられる。

前回の口腔内全体の所見からは外傷性咬合とも言える強い咬合力の持ち主だということは分かったと思う。

http://mabo400dc.com/dental-treatment/post-30119

今回はこの時のつづきで、2年半後だ。

2018/12/03

2次カリエスは患者が知らないうちに補綴物の脱離による隙間から進行する。
「虫歯の電気化学説」によると「隙間腐食」と呼ばれる歯質の腐食の一形態だ。
金属腐食工学分野では「酸素濃度差腐食」とも呼ばれる。

ブリッジをカットすると簡単に脱離する。

内部を見てみると、虫歯を見たことのある人にしかよく分からないかもしれないが、
軟化象牙質(ミネラル分が溶出してコラーゲン繊維だけになって、固めのチーズ様になっている象牙質)は広範囲に及んでいる。
これを見た歯科医師は絶望的な気持ちになる。
大多数の歯科医師は抜歯を宣告すると思う。

横から見た方がよく分かるかもしれない。
軟化象牙質を除去する前、

後。歯質はかなり薄くなっているのが分かると思う。強い咬合力には耐えられない。

これでも除去する範囲が足りないくらいなのだが、完全に除去することはできない。
歯がなくなってしまうからだ。
最小限の歯質接着性が得られる程度まで除去する。
スプーンエキスカベータで削れない程度だ。
しかし、健全歯質に比べると接着力も格段に弱くなっている。

穿孔部分は少し治っていたような気もするが、
軟化象牙質を除去する過程で穿孔部分が大きくなってしまった。

軟化象牙質を除去すると穿孔してしまう恐れのある内部はα-TCPセメントで覆う。
再結晶する可能性があるからだ。
また脱離した時でもα-TCPセメントが代わりに溶けてくれて、歯質を守ってくれる。
これを「カソード防食」という。亜鉛めっきと同じ原理だ。

CRでカバーして

ブリッジの支えをレジンで作って、次回に備えるが、
今回の予後は前回よりも悪くなるのは確実で、2年保たないだろう。
継続的な管理が必要になる。

つづく

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