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今日の充填治療417(上級編)

 
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40代女性、左上7、インレー脱離

インレークラウン等のセメントはとうの昔に利いていなくて、
何気なく付いているだけというのは多い。
「虫歯の電気化学説」的にはセメントは歯質よりもイオン化傾向の大きい亜鉛を含むリン酸亜鉛セメントが長期的には一番良い。
セメントが歯質の代わりに溶解してくれるので、虫歯になり難い。
腐食工学分野ではカソード防食と呼ばれる。

このケースでも内部には黒色物質であるFeS(硫化鉄)が付着していて、
嫌気性の硫酸塩還元細菌の住処になっていたということを表している。
この細菌は口臭の原因にはなっても、虫歯の原因にはなり難い。
なぜなら「虫歯の電気化学説」によれば、FeSはe-やH+等のイオン電導を妨げるからだ。
もう少し隙間が大きくなれば、通性嫌気性の酸産生菌が繁殖し始め、虫歯が進行しやすくなる。

深い虫歯はないので

そこだけα-TCPセメントで覆罩

ただこの部分には耳下腺の開口部の耳下腺乳頭があり、
本来唾液に含まれる重曹成分により酸は中和され虫歯にはなり難いはずだ。
なぜ遠心まで削る必要があったのかは不明。
過剰介入だったのかもしれない。
安易に虫歯の治療などしない方がいいのだが、
歯医者はつい商売のことを考えてしまう。

隣の6番の遠心咬頭を見てみるとクラックが入っているので、
咬合性外傷で咬頭が欠けたのかもしれない。

当然ながら、頬側の虫歯の治療は難しい。
唾液との戦いだし、頬に覆われているからだ。
今回の口蓋側〜遠心の治療は頬側ほどは難しくはない。
ただこの部分は直視できないので、ミラーテクニックが必要になる。

CR充填後。

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