今日の何やっているの?シリーズ85 (11)
2017/02/26

裏
うちでは金属は特に強度が必要でないケースでは銀合金を使っています。
銀は錆びるからだめだよね、、と歯医者を始め世界中の歯科業界関係者は信じ込んでいますが、
ではなぜだめなの??と深く考えた人はいないようです。
まあ、錆びて黒くなるのは、見た目が悪いし、患者ウケが悪いよね?とか、錆びるってことは口腔内で溶けるってことでは?
とか漠然と思っているわけです。
でも、よく考えてみると、銀合金の錆は酸化物または硫化物で、電気の不導体なわけで、これ以上錆びない保護膜として働くわけですから、
そういう意味では、むしろ良いかもしれません。
長年歯医者をやっていると、銀合金は意外と虫歯にならないよね?と感じる人は多いと思うのですが、
銀に対する先入観から、詳しく検討してみた人もいないようです。
「虫歯の電気化学説」的には、「酸化皮膜」というのは電気伝導を妨げるので、虫歯にはなりにくいのは当然のことです。
以下の記事では、歯はpH3〜4程度の弱酸には溶けないが、電気を流すと溶ける。もちろんイオン化傾向を測定することもできるということを明らかにしています。
要するに口腔内が酸性なだけでは虫歯はできず、歯との間に電流が流れる仕組み(局部電池の形成)がないと虫歯にはならないということです。
ご参考まで。