歯が酸で溶けたものが虫歯? (3)

      2017/02/26

と言われていますが、息子がこの図を見ながら的を得た指摘をしていたので、紹介しておきたいと思います。

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左図の酸素がない場合の金属が酸に溶ける電気化学的なメカニズムは、
水素イオン(酸)が金属から電子を奪い、奪われた金属は+イオンとなり溶出する。
要するに局部的な腐食電池を形成しています。
このことは、確かにpH0の強酸に歯を浸けると水素ガスの泡を出しながら溶けているのが目で確認できます。
これだと確かに歯の表面が溶けますが、
ただpH0などという強酸が口腔内に自然に発生することは有り得ません。
歯の表面を酸処理するためのオレンジのエッチング液がpH0、緑がpH1だったと思います。

ところが口腔内ではせいぜいpH4.5までとされており、しかもpH5.5以下でなら虫歯になるとされていますが、
それよりも30倍も強いpH3.0の酸(炭酸飲料)に数週間漬け込む実験をしてみても、歯は簡単には溶けないことが判ります。

そこで局部的な腐食電池を形成するもう1つの電気化学的メカニズムが酸素がある場合の右の図です。
これは酸素の濃度勾配がある場合で、酸素があると金属表面から電子を奪いやすく、酸素がより少ない金属部分が+イオンとなって溶出します。
この場合、強酸である必要はありません。弱酸でも歯が溶けます。これが脱灰とよばれる細菌が関与する初期の虫歯と思われます。

歯科医師を含め歯が酸に溶けると思っている人は、前者だけが歯を溶かすメカニズムだと思い込んでいるのですが、そうではありません。
いろいろなパターンがあります。

しかも、歯は金属と同じように取り扱うことができると暗黙の内に決めつけているようにも思われます。

というより、前者の無酸素状態で歯が酸に溶けるという現象自体が電気化学的な現象であることに気が付いていないのです。

 - 削らない・抜かない歯科治療, 虫歯の電気化学説