今日の充填治療その197

      2017/02/26

50代男性、左上7、インレー不適合、自発痛ー。

見た目でもダツリしてる可能性が高い。
クラックもある。

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エキスカベーターで押上げただけで簡単に外れた。
メタルインレー内面は黒い酸化物または硫化物で覆われている。

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合着セメントは溶出しているが、
裏装セメント?は残っている。
材質は確定できなかったものの、
削った感触からグラスアイオノマーセメント系かと思われた。

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虫歯はクラックや歯質とインレーのすき間部分に多い。
金属の腐食ではすき間腐食と呼ばれ、酸素濃度が低いところが腐食する。
細菌の有無とは基本的には関係ないが、
細菌の存在により腐食は加速される、
それをMICと呼ぶ。

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α-TCPセメントで裏装、

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CR充填した。クラック対策は別途行なう予定。

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合着セメントは効いていないにもかかわらず、大した虫歯もなく長期間経過する症例を経験することがある。
その時の裏装セメントはカルボ系かリン酸亜鉛系が多いように思う。
電気化学的には理由がある
歯の主成分ハイドロキシアパタイトはイオン電導性セラミックスであり、
金属と同じように取り扱うことができ、
イオン化傾向を測ることもできる

歯は亜鉛以外の金属よりイオン化傾向が大きい。
カルボ系、リン酸亜鉛系のセメントには亜鉛が含まれている。
とうことは、セメントに含まれている亜鉛が歯の身代わりに溶けてくれるので、
虫歯になり難いと思われる。

ハイドロキシアパタイト系のセメントが虫歯になり難いのも同じ理由だろう。

また、言うまでもなく電導性の遮断も虫歯の進行を妨げる、金属酸化物や硫化物はイオンの電導を妨げる。

この症例ではグラスアイオノマー系のようだが、この場合金属よりも歯質への接着性が高かったのかもしれない。
イオンの電導を妨げたことが虫歯の進行を遅らせたと思われる。

 - 削らない・抜かない歯科治療, 虫歯の電気化学説