コーヌス義歯の製作過程2.2

コーヌス冠など、ミリング操作を必要とする場合の作業模型には
固定性の高いダブルのダウエルピンが欠かせない。
僕の場合スリーブ付きのものを使っている。
印象から外した石膏模型は各支台歯の歯軸がなるべく直角になるような平面を得られるように注意しながら
裏面を平滑にトリミングする。
さらに裏面には支台歯の歯軸に合わせて、ダウエルピンを差し込む穴を開ける。
試しに1本差し込んでみた。
この辺りの作業には専用の機材があるが、お見せするのははばかられるw
ここまでの作業に欠かせないのは、石膏模型表面の養生で、
トリミング時に水がかかるが、石膏は水に無視できないほど溶けるので、
大まかなに気泡を除去した後、トリミング前の表面硬化剤の塗布はかならず行なわなければならない。
症例報告などを見ていると、歯肉圧排、個人トレーでシリコン印象、超硬石膏でなければならないかのような印象を受けるが、
その必要性は全くない。
それよりも桁違いに精度上問題になる工程は他にも多数あり、
石膏模型に表面硬化剤を塗布しないで水をかけるというのもその一つだ。
自分で診療室から技工室までの全ての工程をやってみると、
どの工程が重要で、どこが重要ではないか、というのはよく分かる。
歯科医師と技工士が別人だと、その辺りが分からない。
誤解を怖れずに言うと、お互いに無駄なことをやっているように見える。
もっと、合理化、単純化というのはできる。