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今日の2次カリエスシリーズ16

2017/02/26
 
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虫歯というのは、歯が溶けることですが、
みなさん、単純に細菌が出す酸に溶けるのだ、と思い込んでいらっしゃるようですが、
やってみると、みごとに溶けません^^;

細菌が出す酸というのは精々pH.4くらいなのですが、
それより10倍も酸性度の高いコーラ(pH.3)に1ヶ月浸け込んでも、溶けません。

昔、虫歯を作る実験ということで、

歯のイオン化傾向を測ったり、

電子を奪う方向に電流を流して溶かしてみたりしましたが、

虫歯というのは、結果として酸性がどうのとか、虫歯菌がどうしたとか、
そういうことは枝葉末節だということが解りました。

虫歯は金属が錆たり腐食したりするのと基本的には同じことだったのです。
これを「虫歯の電気化学説」とよんでいます。

要するに電子が奪われる電極:アノードになった部分が虫歯になるというものです。

#詳しい話はこのブログ内を上記に挙げたキーワードで検索してみてください。

で、今日の症例は70代男性、右下6、
アノードになった部分(虫歯)は酸素濃度が相対的に少ないところだということが分ります。

クラウン除去前、

IMG_0556.JPG

除去後、まだ虫歯は見えませんが、両隣接面下に食さが溜まっています。

IMG_0558.JPG

メタルコアを除去すると、虫歯が見えて来ます。
要するに酸素の届かない奥の方がアノードになり易いということです。

イオン化傾向を測る実験結果によれば、アノードの対電極カソードがどこかというと、
金属冠クラウンやメタルコアです。
錆びにくいといわれる金属は歯よりもイオン化傾向が低いので、
対電極になるという条件が整えば、
虫歯を進行させる要因になります。
逆に対電極が存在しなければ、虫歯は発症しません。

IMG_0559.JPG

虫歯をあらかた除去したところ。
黒いのは硫化物還元細菌の代謝産物のFeSですので、
十分歯質が硬ければ、全部除去する必要はありません。

IMG_0560.JPG

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