今日の抜歯再植術シリーズ22

先日肝臓が専門の外科の先生とお話する機会があったのですが、
その先生が大学にいるときに、肝臓がんの手術で、
肝臓を全部身体から取り出して(もちろん血液は送るが)、
テーブルの上にドンと肝臓を置いて、肝臓をひっくりかえしたり、めくったりしながら、
ま、よく見えるので、がんの部分を見逃さずに切除しやすく、
この方法をTable surgeryと言って、たいへん予後が良い。
という話をされた。
それって、うちでやっている抜歯再植術と同じですね、
という話をしました。
抜歯再植術の適応症は歯根破折だけではなく、
難治性の根尖性/辺縁性歯周炎、歯根端嚢胞もその適用範囲になります。
今日の症例は40代女性、左上7、咬合痛+。
GAができたり フィステルができたりをくり返す方です。
レントゲン写真ですが、根尖病巣があり、
外からエンド治療やSRPをくり返しているがなかなか良くならない。
それでは、抜歯するしかないね、ということで、
抜歯してみた。
抜歯窩を掻爬すると、膿瘍が多量に出て来た。
膿瘍というのは、炎症性の組織で、細菌コロニーや、多量のリンパ球などの免疫細胞が見られます。
要するにここで、人間の免疫系が細菌と戦って、閉じ込めて、一掃しようとがんばっているのです。
歯根の側面の深い溝や
歯根分岐部、根尖のへこみ部分に膿瘍ができている。
膿瘍のを取り除き、
感染しやすい歯根の溝をスー○ーボンドで充填し、
根尖口も充填し。
再植した。