今日の充填治療その253

      2017/02/26

5歳、男子、左上E、咬合面カリエス、自覚症状無し。

矯正治療を始めるに当たって、
矯正治療はカリエスリスクを高めるだけではなく、
この歯ではないが、Dの隣接面カリエスは歯列を狭くしてしまうので、
その前に虫歯の治療をしておこうか、という、
それだけのことで、
切迫した状況ではありません。

前回の症例もそうでしたが、
今回も虫歯を全部除去すると、
露髄する、
そういう症例です。

ほとんどの方は虫歯は虫歯菌が引き起す「細菌感染症」だと思われているかもしれません。
歯医者でさえ、業界誌に
「・・虫歯が細菌感染症だということは論を待たないと思うが。。」
などと書いています。

ところが、この症例のような虫歯を実験室で再現することを今までの研究者は誰も成功していません。
細菌を歯の上でいくら培養しようが、このような虫歯を再現することはできないのです。
もうそろそろ、虫歯の原因は虫歯菌が出す酸で歯が溶けることによる、などという
全く理論的根拠のない説は撤回する時期に来ています。
そもそも細菌が出すと言われるpH3〜4の酸に歯は溶けません。

僕はいくつかの簡単な実験をした結果、
虫歯の原因は細菌ではなく、
電気化学的な腐食であると結論づけました。

理由はこのブログ内をキーワード検索していただけると、
いくらでもヒットしますが、
歯牙は他の金属との間でイオン化傾向を測定することができます。

象牙質とエナメル質とのイオン化傾向の差(自然電位差)を測ることもできます。
結果は、象牙質>エナメル質、でした。

ということは、
この虫歯は異種金属接触腐食の一形態であると容易に理解できます。

それは、エナメル質は溶けず、象牙質だけが溶けることから、裏付けられます。

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エナメル質を最小限除去すると、
内部には虫歯が広がっていて、象牙質だけが虫歯になっている。
虫歯を全部除去すると露髄して、
下手をすれば神経を取らざるを得なくなります。

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虫歯を全部除去する必要はない。

虫歯は細菌感染症ではなく、電気化学的な腐食なので、
イオン伝導が遮断できれば、それだけで虫歯は止まるからです。

α-TCPセメントで覆髄しますが、
セメントが固まる程度に乾燥できる、
CR充填しても辺縁漏洩が無い、
と思われる程度虫歯を除去できればよい。

ここまで、麻酔も使わない、完全無痛治療wです。

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CR充填後、辺縁漏洩がないことが重要です。

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