今日の抜歯再植術シリーズ27

      2017/03/20

50代男性、右下5、違和感あり。

今年の正月頃変だと思って歯医者に行ったら、歯根が破折していると言われたので、
2軒目に行ったが、そこでも破折と言われた。
そこでCTを持っているインプラント専門の歯医者に行ったら、
破折していない。
それよりもう一つ後ろの歯が虫歯だと言われたので、
わけが分らなくなったので、うちに来られた。

レントゲンでは単なる2次カリエスのように見える。
歯根が破折しているかもしれないが、それはレントゲンだけでは判らない。

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近心歯肉が腫れていて、排膿している。

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クラウンを除去すると◯のところが炎症性の組織になっている。

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電気メスで除去するときに通常の歯肉息肉とは違う繊維成分の少ない柔らかい組織だったので、
イヤな感触を得た。

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ポストも緩んでいてすぐ取れたが、

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歯質も少し柔らかくなっているように感じた。
赤いところは炎症性の組織だ。
メタルコアはダツリしていて、歯質とのすき間に浸潤している。

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これも除去すると、貪食細胞に食われたような軽石状の窪みがある。
この方の免疫系はこの自分の歯を異物とみなして排除しているように見えたが、
歯根破折ではないようだ。

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通常の方法では、この吸収機転を止めるのは難しいので、抜歯再植を試みた。
歯根周囲の病的な軟組織を掻爬すればこの機転が止まるかもしれないと考えたがどうだろうか?
予後は厳しいかもしれない。

←は膿瘍で直下にはクラックや側枝があるのかもしれない。

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膿瘍を除去してきれいにした。

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膿瘍直下の歯根面には特に問題は無いように見えたが、
光りに透かすとクラックらしいものが見えたので、
歯根尖と共に除去した。

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既製のポストを入れて、

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スー◯ーパーボンドで充填した。

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抜歯窩に

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再植して

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固定した。

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上皮の迷入を防ぐために仮封材で巻いた。
投薬4日分、1週間後に仮封材を自分で除去するように指示した。
大阪から来られた方なので、簡単には来院することができないからだ。
1ヶ月後に確認して問題なければ6番と連冠で連結固定する予定。

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